得点王候補の初ゴールと途中出場選手たちのエナジーが集結。 日産スタジアムで浦和レッズに完勝する [J2節 浦和戦レビュー]
ブラジル人ストライカーの今季初ゴール
アンデルソン・ロペスは左利きである。
普通のことを言ってしまった。マリノスサポーターなら99%の人間が知っている事実だろう。ただ、彼のフィニッシュシーンを振り返ると、あまり左足に頼っていない。右足やヘディングのゴールも多い。
では、どの場面で左足と左利きの特性を生かすのか。それが浦和レッズ戦の先制ゴールの場面に凝縮されていた。
後方からのボールを受けたロペスは、相手DFを背負うような形でレシーブ。巧みに体を回転させてプレッシャーを無力化させ、そのまま自身の右側にターンする。つまり左足で次のアクションを起こせる持ち方である。
次に、ロペスはインサイド寄りに侵入したエウベルへ。すぐさまリターンパスをもらい、ダイレクトで左サイドを駆け上がる永戸勝也へ展開。これは昨季終盤からよく見られた形で、マリノスの攻撃が自然とスピードアップしていく。相手は自陣ゴール方向へ戻りながらの対応を余儀なくされるため、チャンスになるのは必然でもある。
ボールを出したロペスは直線的なスプリントでゴールを目指した。「仲間を信じて、ボールが入ってくると信じて、ゴールを決めるために走った」。永戸からのクロスは頭上を越えていったが、今度はファーサイドで待っていた西村拓真がラストパサーに。
ゴールを量産できるストライカーは、ゴール前でボールが来る位置に自然といる。半分はロジックで、この場面のロペスのように走らなければチャンスに絡めない。ただ、残り半分は言葉で説明するのが難しい。サッカーにおけるゴールは限られた選手だけが輝きを放つ才能なのだから仕方ない。
永戸のクロスに対して飛び込んだ位置は、西村のラストパスにとって絶好のポジショニングになっていた。得点王を目指すブラジル人ストライカーに今季初ゴールが生まれ、浦和レッズのゴール裏は静まり返った。
高い位置からのプレスを起点にトドメの一撃
先制に成功したとはいえ、苦しい時間帯も長かった。プレスがかかり切らず、中盤で相手をフリーにしてしまう場面も目立った。西村が「正直、いい内容ではなかったし、もっと伸ばせる部分はあると思う」と苦い表情を見せたように、第2節はまだまだチームとしての完成期ではない。
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