「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「ホームゲームでは負けたらいけない。週末の浦和戦はその一歩目です」 [松原健インタビュー(前編)]

【松原健選手インタビュー(前編)】

実施日:2月20日(月)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

ホーム開幕戦が2日後に迫っている。

開幕戦の川崎フロンターレ戦を見事な勝利で飾り、マリノスはチャンピオンチームとして堂々のスタートを切った。

その試合、万全の状態ではないながらも奮闘する松原健の姿があった。

先日、30歳になったケニーが語る試合出場への『覚悟』とは。

タイトルの味を知る男が、今シーズンにかける思いを静かに語り始めた。

 

 

 

試合に使ってもらえるのであれば責任と覚悟を背負わなければいけない

 

――開幕戦の川崎フロンターレ戦を勝利で飾りました。まずはひと安心といったところでしょうか。


「自分たちのサッカーを表現しつつ、その上で勝利するのがチームとしても個人としても目標です。ただ試合全体を振り返ると相手ペースになっている時間帯のほうが多かった。危ない場面が何度かありましたし、終盤に失点してしまったのは反省材料でもあります。ただ、チーム全体で集中力を切らさず守り、最終的に大事な開幕戦を勝利できたことは良かったと思います」

 

 

――松原選手は富士フイルムスーパーカップの出場を回避してこの一戦に照準を合わせていたと思います。実際のところコンディションはどの程度だったのでしょうか?

「試合に使ってもらえるのであれば責任と覚悟を背負わなければいけません。出場すると決まった時、自分のコンディション云々の話は抜きにして戦わなければいけないと決めました。結果的には自分の中で不甲斐ないシーンも多かったですし、そこに対しての悔しさが残っています」

 


――対面したマルシーニョ選手は非常に厄介な相手に見えました。

「背後を突かれる場面も多く、手を焼きました。でも、かといってすべてに対してネガティブになっているわけではありません。相手のスピードが一枚、二枚くらい上なのであれば、ポジショニングを考えて、最後まで粘り強く追いかけるしかない。1人で奪えなければ、2人か3人で奪う。近いポジションのシン(畠中槙之輔)やキー坊(喜田拓也)との距離感を大切にプレーしました。結果的にマルシーニョ選手にゴールを許さなかったところは良かったと思います。でも個人的にはああいった速い相手にもしっかり対応しなければいけないし、これから優勝争いをしていくのであれば自分をもっとプッシュしていかないといけないと感じました」

 

 


――スライディングでボールカットした前半10分の場面は胸アツでした。

「うーん、あのシーンはできればCKではなくスローインにしたかったんです。止められたのもあの一本くらいしかなくて、ピンチになっそうてしまう場面のほうが多かった。もっと上手く対応できる場面もあったし、勝って反省できるのは良いことだけど、悔しいですね」

 


――昨季終盤から守備陣の顔ぶれがだいぶ入れ替わった中で川崎フロンターレに勝利したのは大きな出来事なのでは?

「たしかにすごく大事なことですが、去年から示しているように僕たちは『誰が出てもマリノス』です。センターバックの2枚が入れ替わっても何も心配していなかったですし、GKのところも(高丘)陽平が抜けた穴を感じさせないパフォーマンスをオビ(パウエル・オビンナ)が見せてくれた。川崎戦ではオビに助けられた部分もたくさんあって、そこはファン・サポーターの皆さんにも見てもらって心配いらないと伝わったんじゃないかなと思います」

 

 

――松原選手自身のコンディションもさらに上がっていく?


「もちろんです。リュウ(小池龍太)がケガをしている状況で、本職の右サイドバックは自分しかいません。まずは90分間しっかりプレーできる体力にしていかなければいけないですし、プレシーズンのところで少し出遅れたことを言い訳にしたくない。試合に出たらやるだけですから」

 

――逞しい勝ち方で、今年の横浜F・マリノスも強いことを印象付けられた気がします。

「ここ数年のF・マリノスにはない感じの勝ち方だったかもしれません。僕は2017年に加入して、そのシーズンは堅守速攻型のチームだったので川崎戦のような展開は珍しくありませんでした。でも2018年からはアタッキングフットボールに挑戦して、サッカーのスタイルは180度変わりました。目指すべき場所はそこなので、内容面はもっと向上させなければいけない。勝利したことは素直にうれしいですが、満足している選手は僕含めていないと思います」

 

ファン・サポーターの皆さんの熱い応援がホームゲームでのアドバンテージ

――今週末はホーム開幕戦です。浦和レッズとの一戦はビッグマッチとして注目されています。


「とても楽しみです。開幕戦を勝利した勢いをさらに大きくするためにも、そして大勢駆けつけてくれるであろうファン・サポーターのためにも良い内容で勝利したい試合です」

 

 


――昨季はホームで強さを発揮し、12勝3分2敗という戦績でした。ズバリ、強さの秘訣は?

 

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