「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「自分が偉大な先輩方に憧れてプロになったように、今度は自分が憧れられる存在になりたい。そのためにも横浜F・マリノスという伝統あるクラブで自分のプレーを発揮し貢献したいです」 [白坂楓馬インタビュー]

白坂楓馬選手インタビュー

実施日:1月17日(火)

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

ジュニアユース追浜所属として3年間を過ごしたのは10年以上前のこと。

プロサッカー選手を間近に感じられる環境が白坂楓馬の未来予想図を大きく変えた。

ストレートな道のりではなかったかもしれない。

それでも再び横浜F・マリノスでプレーする夢をあきらめなかった。

26歳になった白坂楓馬が、トリコロールに帰ってきた。

 

 

 

道が多少くねくねしながらでもここまでやってこられた過程は自分の中での財産です

 

――ジュニアユース追浜以来、F・マリノスの一員としてプレーします。『ただいま』という感覚ですか?

「だいぶ時間が経っているので『本当に帰ってこられたんだな』という感覚が正直なところです。鹿児島ユナイテッドFCでしっかり結果を出せば、復帰できるチャンスは増えると信じてプレーしていました。ですがGKの世界は玉突きでの移籍が多かったり、チーム事情に左右される部分も大きいのも事実。そういった難しさは理解していたので、鹿児島でどれだけ結果を出しても枠が空いていなければ帰れない。だからこそ今回の復帰はとてもうれしかったです」

 

 

――今度はプロサッカー選手としてトリコロールのユニフォームを着るわけですね。

「身が引き締まる思いです。F・マリノスはただのJ1チームではなくチャンピオンチームです。そんな素晴らしいクラブに帰ってこられたことがひとりのサッカープレーヤーとしてすごくうれしい。ただ、ここに帰ってきたことだけに満足しているわけではありません。自分が試合のピッチに立ってチームを勝たせる、チームを優勝させることが目標です。だからようやくスタートラインに立ったという感覚でいます」

 

――いつ頃からプロサッカー選手を志していたのですか?

「中学生の時に運良くF・マリノスのジュニアユース追浜に入ることができました。それからは日産スタジアムで試合を見る機会が増えたので、自然と憧れていきました。忘れられない思い出があります。当時、マリノスタウンでユースとジュニアユースのGKだけを集めて合同トレーニングする機会があったんです。指導してくださったのはシゲさん(松永成立GKコーチ)でした。実際にプロ選手を指導し、指示を与えている方に指導していただけるのはとても刺激的で、ものすごく興奮しました。そして26歳までプロを目指してチャレンジしようと決めました。大学卒業後はJFLのHonda FCでプレーしましたが、26歳まではプロを目指して頑張って、そこで区切りをつけようと思っていたんです。今回、たまたま26歳というタイミングでF・マリノスに復帰の声をかけてもらったのは出来過ぎのストーリーですね(笑)」

 

 

 

――ユースに昇格できなかったことなど紆余曲折を経てF・マリノスのユニフォームを着る。歩んできた道すべてが必要な時間だったと思える部分もありますか?

「ジュニアユース、ユース、トップチームとストレートで昇格できたら最高だったかもしれません。ですが、道が多少くねくねしながらでもここまでやってこられた過程は自分の中での財産です。素晴らしい指導者やチームメイトとの出会いもたくさんあったので、今の自分を見ればこれが正解だったと胸を張って言えます」

 

――サッカー以外の社会経験も白坂楓馬の強みになっていくのでは?

「Honda FCでは2年間、普通にサラリーマンとして働かせていただけたのは社会人として良い経験でした。Jリーガーでそういった経験を持っている選手はあまりしないと思いますし、その経験が白坂楓馬のモデルを作っているのかなと思います」

 

 

 

手の動作はすべて左手なんです。だから右を見せたらとんでもないですよ(笑)

 

―-まずはF・マリノスのスタイルに慣れるところからスタートになると思います。自身のプレースタイルと照らし合わせて、フィットする自信は?

「後ろからボールをつなぐ部分はGKもフィールドプレーヤーのひとりとして参加することが求められます。GKから攻撃の一歩目が始まるシーンも多々あるので、組み立てに参加する面白さを感じながらトレーニングに取り組んでいます。もっともっとクオリティや自分の基準を上げないといけませんが、プレーしていて苦しいと感じることはありません。チームメイトに指示や教えをもらいながら、徐々に順応できているという感覚はあります」

 

 

 

 

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