「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「今年も良い意味で想像を超えていきたい」 角田涼太朗が充実の優勝シーズンの次に見据えるモノ

 

ツエーゲン金沢との練習試合では身長190cm近いジェフェルソン・バイアーノを完璧に封じてみせた。ハイプレスに苦しむ金沢はロングボールに頼らざるをえない状況となり、ターゲットのバイアーノめがけてロングパスを放り込んできた。だがしかし、角田涼太朗は入ってくるボールをことごとく撃墜して相手の攻撃の芽を摘んだ。

 

 

ウェイトこそ昨季からほとんど変わっていないが、体がひと回り大きくなったように見える。出足も鋭く、守備時の力強さは格段に上がった。まさしく“自信という名の鎧”だろう。センターバックに必要不可欠なオーラを身にまといつつある。

 

 

優勝という最高の結果で終わった昨季は、角田にとっても大きなきっかけを掴むシーズンになった。リーグ戦18試合に出場し、うち11試合に先発出場。ACLではプロ初ゴールも記録し、サイドバックで起用されてプレーの幅を広げる。あらためて振り返っても「試合に出させてもらう中で自信や経験を積めた。この1年間で、自分の中でいろいろなことが変わった。ずっと試合に出続けたわけではないけど、0から1を作るのは難しいことで、だからこそ大きかった」と充実の表情で語る。

 

 

迎える今季は、より高みを見据えるシーズンになる。基準は明確にある。エドゥアルドという存在だ。

 

 

 

 

昨季終盤、左センターバックは背番号5の定位置になった。角田はバックアッパーの位置付けで、抜群の存在感を誇るブラジル人DFがマリノスの守備を支えた。時間経過とともにフィット感を増していくエドゥアルドは、さすがの守備能力と経験値で優勝に大きく貢献した。

 

 

レギュラー奪取は同じ左利きのセンターバックを超えた先にある。どんなイメージでポジション争いに挑んでいくのか。

「彼にできることと自分にできることは似ているようで違う部分がある。そこで自分の強みを出していきたい。経験の面では彼のほうが上だけど、そこを埋めていけるくらい自分の能力を遠慮なく発揮していきたい」

 

 

今オフ、チームは大型補強を敢行しなかった。昨季の主力が数選手抜けた中で、補強を必要最小限にとどめた。その理由は、昨季の準レギュラー選手の成長とフィットに期待しているからに他ならない。

 

 

センターバックで言えば、角田の成長にかかる期待は大きい。角田も自分自身への期待を隠そうとはしない。

「去年は想像もできない1年を過ごしたので、今年も良い意味で想像を超えていきたい。今年はその機会をさらに増やして、飛躍の年にしたいと思っている。去年のスタート時期よりもイメージを明確に描けているので、そこに向かっていきたい。周りから頼られる選手、存在になっていきたい」

 

 

絶対的な存在へ。その先に日の丸や海外がある。

マリノスのセンターバックは、いつの時代も日本を代表する選手であれ。

 

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