「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「(エウベル選手)は、爆発的なスピードはもちろん、技術や身体能力を生かしたプレーの質が高いだけでなく、プレー選択と判断の質が本当に素晴らしい」 [下平匠の「匠の視点」]

 

匠の視点vol.9

構成:藤井 雅彦

 

 

OBの下平匠氏が横浜F・マリノスについて語り尽くす『匠の視点』。

今回は日産スタジアムで行われた浦和レッズ戦の観戦記をお送りする。

選手としてピッチから見ていた景色と、ひとりのお客さんとしてスタンドから見る景色は「まったく違った」。

感じたのはマリノスファミリーの熱さ、一体感、勝利への欲。

そして下平は念願のスタグルに辿り着けたのか!?

 

 

 

サッカー観戦について無知な僕の見立てはとにかく甘かった(泣)

 

ヨコハマ・エクスプレスをご覧になっているみなさん、こんにちは。南葛SC所属の下平匠です。

さっそくですが、先日行われた浦和レッズ戦との2022シーズンホーム最終戦、ついに現地観戦しました!! 結果はみなさんご存知の通り、4-1の完勝。今回は試合当日の様子を振り返りながら、僕が感じた興奮や新たな発見をお伝えしたいと思います。

まず試合当日は午前中に南葛SCの練習がありました。練習が終わり、行きつけのカフェでチームメイトと軽く腹ごしらえ(結果的にここでお腹に入れておいて良かった 笑)。

この日は土曜日の15時キックオフ。

秋晴れで最高の気候。

予想される来場者は約5万人。

そして、優勝が決まるかもしれない大一番。

サッカー観戦についてあまりにも無知な僕は、試合開始1時間前に着けば、盛り上がっていると噂のスタグルを食べたり、マリノスのスタッフや知り合いと会ってゆっくり話したり、試合前から満喫できるだろうと思っていました。でも、この見立てがとにかく甘かった(笑)。

 

 

14時前に日産スタジアムに到着し、波戸さんや勇蔵くん(栗原勇蔵)にお会いしてから、いよいよコンコースへ移動。実は、サッカースタジアムのコンコースはほとんど未経験なので、とにかくワクワクしていました。

僕の目に飛び込んできたのは人、人、人。見渡すかぎり、とにかく人(笑)。自分のリズムであることさえままならない状況に「これはヤバいかも」と内心思いながら、知り合いがオススメしていたタコライスのお店へ。

人混みをかき分けて到着してお店の前にできていた列を眺めると、並んでいるのは50人ほど。お店の方は手際よく料理を提供していたのですが、これから列に並んで購入してスタンドへ移動することを考えると、ウォーミングアップどころかキックオフにも間に合うか分からない。通ると思って出したパスがあっさりインターセプトされたような絶望感。

試合の次に楽しみにしていたスタグルですが、今回は泣く泣くあきらめることに。そのぶんの時間を利用して、仕事で来ていた田代有三くんや南葛SCで個人スポンサーになってくださっている方に会うことができたので、良しとしましょう!(笑)

 

 

そんなこんなでキックオフが迫ってきたので、手頃そうな列に並んでドリンクだけ購入し、座席へ。ゲートをくぐって緑の芝生が広がって見える景色は選手としてピッチに入場する雰囲気とはちょっと違って、特別な空間に感じました。

46千人以上が詰めかけたスタジアムはまさに圧巻。レッズの応援も相変わらず大迫力でしたが、マリノスの応援とスタジアム全体の一体感から『選手と一緒にタイトルを獲るんだ』という覚悟がひしひしと伝わってきました。

よくよく考えてみると、チームバスでスタジアムに入る際にもサポーターの方々がチャントを唄ってくれますよね。それを踏まえて逆算すると、たぶん2時間半前くらいにスタジアムに着いていないとスタグルは満喫できないのでしょう(泣)。

そこまで頭が回っていなかった自分が恥ずかしいと同時に、それだけの時間と労力をかけて応援してもらえること、素晴らしい環境でプレーできるプロサッカー選手は、本当にありがたい職業だなと思いました。

 

 

 

エウベル選手はプレー選択と判断の質が本当に素晴らしい

 

試合についても少し振り返りましょう。

こんな素晴らしい空間を創ってもらえたら、選手は奮起しないはずがありません。どの選手からもこの試合にかける強い気持ちが感じられましたし、それは4-1というスコアが物語っていると思います。

全員が良い働きをしていた中で、僕が注目したのはエウベル選手です。

 

 

 

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