ピッチ内からピッチ外へ。 現役引退を機に戦いの場所を大きく変えた新人社員が奮闘している [鈴木彩貴インタビュー(前編)/トリコロールを纏った男たち ]
トリコロールを纏った男たち
【鈴木彩貴インタビュー(前編)】
インタビュー・文:藤井 雅彦
ユニフォームからスーツへ。
スパイクから革靴へ。
ピッチ内からピッチ外へ。
現役引退を機に戦いの場所を大きく変えた新人社員が奮闘している。
今年2月に横浜マリノス株式会社に入社した鈴木彩貴はかつてトップチームでプレーした、いわゆるマリノスOBでもある。
サッカーに携わる者として、情熱の表現方法はどのように変わっていったのか。
インタビュー前編では現在の仕事について余すことなく語ってくれた。
一度現場から離れてみるという選択肢はずっと頭の中にあった
――スーツ姿がとても似合っています。自己評価はいかがですか?
「ありがとうございます(笑)。一般的にビジネスマンはスーツで仕事をする方が多くて、いわゆるオンの状態だと思います。でもサッカー選手の場合、ユニフォームや練習着がオンで、公共機関での移動やスポンサー様への対応時にしか着用しないスーツはオフですよね。それが今は立場が変わってオンとオフが逆転しましたけど、個人的には現役時代からスーツを着るのが好きでした」
――あらためて横浜マリノス株式会社に入社した経緯を聞かせてください。
「2019年いっぱいで現役を引退し、2020年から指導者として2年間過ごしました。FC町田ゼルビアのユースとジュニアユースのGKコーチで、あとはGKスクールを月1回担当していました。ただ僕自身、いろいろな角度からサッカーに携わりたいという思いがあって、一度現場から離れてみるという選択肢はずっと頭の中にありました。クラブが事業系スタッフを募集していたタイミングとうまく合致したのは幸運でした」
――数年前まで選手として在籍していたこともあって、顔見知りのスタッフもいるのでは?
「そうですね。でも現役時代を振り返ると、身近な広報担当やサインを必要とする事業部の方の名前と顔は把握していましたが、それ以外は誰がどんな仕事をしているのか正直分かっていませんでした。入社してみて、あらためて大勢のスタッフで会社が成り立っていることを理解しました。個人的には、現役時代からお世話になっていた勇蔵くん(栗原勇蔵クラブシップ・キャプテン)と継続的に連絡を取らせてもらっていて、勇蔵くんが社内の方に僕の考えや希望を伝えてくれたことも大きかったと思います。選手目線で考えた時、マリノスの事業系スタッフはさまざまな場面で気配りができていると感じていました。とても興味深かったですし、学びたいことがたくさんある魅力的な組織でした」
ロッカーアウトのタイミングと声掛けはとても難しい
――今年2月に入社し、肩書きは『マーケティング&コミュニケーション部運営副担当』になりました。このポジションに就いた経緯は?
(残り 2166文字/全文: 3406文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ