4-0の完全勝利。 マリノスがマリノスである所以を見せつけ、パーフェクトな内容で優勝へ大きく前進した [J31節 名古屋戦レビュー]
目の前の試合だけを見据えて準備できる強さ
主将の喜田拓也が晴れやかな表情で言った。
「マリノスらしいゲームだったかなと思う。攻守ともにアグレッシブに自分たちのやりたいことを出せていたし、トレーニングしてきたこと、年間を通してやってきたことを随所に出せていた」
確実に手ごたえを感じている様子だった。
最近のマリノスはケヴィン・マスカット監督はじめ、選手たちは全員が「この試合だけに集中する」と口を揃える。いや、それは最近だけでなく今シーズンずっとだ。目の前の試合だけを見据える姿勢は一貫してブレない。シーズン序盤も、連戦で心身ともに大変な時期も、そして優勝が見え隠れする終盤戦も、それだけは変わらない。
試合が始まると、守備時は5バック気味に引いてくる名古屋グランパス相手に対してしっかりとボールを保持。約2週間の中断期間を「しっかりゲームをコントロールする質を上げていこう」という原点回帰に費やした効果か。慌てて攻め急ごうという焦りは皆無に等しく、一方でチャンスと見るやロングボールでの一発勝負も厭わない。
このように多種多様な攻めを実現できている点が序盤戦との大きな違いである。それらはすべてがジャブのように相手を追い込んでいき、そしてゴールとして結実する。
永戸勝也がアンデルソン・ロペスとのワンツーから抜け出し、グラウンダークロスに水沼宏太が飛び込む。タイミングも精度もほんの少しでもズレていればシュートにも至らなかったであろう最初のチャンスシーンを、貴重な先制点に結び付けた。
後半開始直後の追加点も同様だ。喜田拓也の鋭いラストパスと水沼の動き出しが見事にリンク。枚数は揃っているはずの名古屋守備陣を一瞬にして切り裂き、大きな大きな追加点が決まった。
角田涼太朗の右サイドバック起用は準備済みの一手
この試合だけを見据えて準備を進めてきたことは2-0になってからも顕著に表れていた。すべては想定通りで、試合前の準備段階の時点で試合のすう勢は決まっていたのかもしれない。
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