マリノスにとって本当の戦いはこれから。 最終盤の試練を乗り越え、頂点から見える景色を目指す [J30節 札幌戦レビュー]
見せ場を作った選手たち
渡辺皓太の鬼気迫るプレーには目を見張るものがあった。数日前の練習で見せていたとおりに、ボールへの執着心がすさまじかった。率先して走り、体を投げ出す。それだけにとどまらず、納得できないジャッジには悔しさを露にするなど、感情を表に出していた。
かつてはおとなしい印象ばかりが先行。持っている能力を発揮し切れていない印象が拭えなかったが、ここへきて覚醒してきた感がある。西村拓真の負傷離脱によってトップ下で起用される機会が増え、この日はボランチで先発し、後半からトップ下へ。マルコス・ジュニオールをわざわざベンチに下げての采配だから、渡辺の働きが首脳陣に認められている証だろう。
目に見える結果につながっていないため満足感はないはず。試合後も「うまく入れ替わりながらプレーしたかった。ちょっと動きが少なかったかなと。自分たちからアクションを起こす回数が少なくて、相手としてはラクだったかなと思う」と反省の弁ばかりが口を突いて出た。
残り5試合でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみで仕方ない。秘めたポテンシャルはチーム随一で、そのままチームとしての伸びしろと言い換えられる。苦労と葛藤を繰り返した時間の分だけ、ここから大きく飛躍してほしいと思わせる選手だ。
同じことは吉尾海夏にも当てはまるが、彼の場合はこの日のパフォーマンスで下を向いている暇はない。74分から出場したポジションはウイングではなくトップ下。ようやく今季のマイ・ポジションで出番がやってきて、しかも0-0という状況で必要以上に力が入るの無理はない。
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