暫定とはいえ、追われる側から追いかける立場へ 残り10試合を全勝すれば、マリノスが優勝だ [J25節 FC東京戦プレビュー]
ベストメンバー11人が9月になっても見えてこない特殊なチーム
8月18日のACLヴィッセル神戸戦以来、約半月ぶりの公式戦だ。
周知のとおり、8月は1勝も挙げられなかった。それまで公式戦で一度たりとも連敗しなかったチームが異なるコンペティションとはいえ4連敗したのだから、緊急事態として捉えられても仕方ないだろう。
ただし実状にしっかり目を向け、精査すべき試合の数々でもあった。
リーグ戦に関して言えば、川崎フロンターレ戦はまったく悲観するような内容ではなかった。最後の最後で相手の勝負強さに屈したが、マリノスはマリノスのサッカーに徹し、勝ち点1ではなく、あくまでも勝ち点3を目指した。その是非を今さら問うのはナンセンスだ。
ルヴァンカップでサンフレッチェ広島に2連敗したのは展開のアヤもある。消耗の大きい真夏の連戦が主な理由でホーム&アウェイともにスタメンを大幅に入れ替えたが、チームパフォーマンスを維持するのは難しかった。重要なリーグ戦の狭間というエクスキューズはたしかに存在した。
そしてACL神戸戦。ここは、結果的に外国人枠の問題が大きくのしかかった。レギュレーションの文句を言っても仕方がなく、今シーズンは誰がピッチに立ってもマリノスのスタイルを体現できていた。ただ、重要な一発勝負でチームの持つ最大出力を発揮できなかった感は否めない。
ターンオーバーやローテーションは、結果が出て成功すれば見栄えがいい。スタメンの11人、ベンチの7人、あるいはメンバー外が試合ごとに入れ替わり、それでも勝ち続けられれば、選手たちの精神衛生上もいうことなしだ。
反対に結果が出ないと、結果だけで判断されるリスクも伴う。特に今シーズンの場合、ベストメンバー11人が9月になっても見えてこない特殊なチームである。それでいてリーグ優勝を狙える位置につけているのだから、大きな心配は不要だろう。
気がつけば暫定ではあるものの順位は1位から2位へ。フロンターレよりも1試合少ないため気にする必要はなく、いまの精神状態ならばプレッシャーが軽減する状況は好都合かもしれない。
追われる側から追いかける立場へ。残り10試合を全勝すれば、マリノスが優勝だ。
ヤン・マテウスがクリアすべき課題とは
リーグ戦に戻れば、外国人枠が5枚使える。マリノスが強みを生かせる土俵で、ベンチメンバーを含めた18人の中に5人のブラジル人選手がいるのは確定的だ。
もちろんケヴィン・マスカット監督は選手を選ばなければいけない状況にある。ヤン・マテウスが加入したことで6人になった外国人から、ひとりを外す苦渋の選択が求められる。もし外国人枠が6人なら全員がメンバー入りしていただろう。
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