「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「選手一人ひとりの能力を常に見ている。自分は彼らに限界値をつけていない。可能性という部分を常に見ていて、彼らの強みが何なのかを吟味しながらいつも考えている」(ケヴィン・マスカット監督) [名古屋戦前コメント]

 

[コメント]

ケヴィン マスカット 監督

――ACLでフィールドプレーヤー26人中23人を起用した。その一方で軸となる選手も見えてきたように思うが、チームの土台となる選手は固まってきた?

「選手には常々、限界値を作るなと話している。Jリーグの序盤もACLもいろいろな選手を使ったが『誰が』というのはない。例えば『この7人を固定』と言ってしまえば、完全にフェアではなくなる。スタメン11人が今度の土曜日の試合に出場したら、彼らには責任感を持ってプレーしてほしい。でも、そこに入らなかった選手も責任感を持って、そのポジションを狙っていくことが大事になる。今回、ACLが終わって6日間の準備段階がある。その次も6日間あるが、その次からは週の半ばに試合が入ってくる。選手たちが日々の練習で何を見せてくれるかだと思うし、みんなが与えられたポジションで責任感を持ってやってほしい」

 

 

 

――開幕前に想定していたポジションとは異なるポジションで起用している選手が多くいたと思う。その中で監督にとってもサプライズな選手がいたとすれば?

「ACLまでのシーズン序盤が終わって、選手一人ひとりの能力を常に見ている。自分は彼らに限界値をつけていない。可能性という部分を常に見ていて、彼らの強みが何なのかを吟味しながらいつも考えている。選手一人ひとりが違ったポジションで出場した時に能力をしっかり出してくれている。それを何人かの選手ができると、その選手のキャリアにとってもそうだし、チームにとっても強みになる。唯一、ポジションが変わっていないのは高丘かなと(笑)。でも、もし彼にボランチをやれと言ったら、たぶんできると思う。小池龍太にしても角田にしても違ったポジションで使ってみたい、やってみようとかなと思った時に、彼らはしっかり能力を出してくれている。それは彼らにとっても新たな発見だと思うし、自分にとってもコーチ陣にとっても助かる部分ではある。このポジションにひとが少ない、といった時でも自信を持ってピッチに送り出せる。自分は常に限界を作らず選手の起用を考えている」

 

 

 

――タフな遠征だからこそ見つかったもの、Jリーグにつなげていかなければいけないもの、あるいは大会がひと区切りした今だから言えることは?

「ACLは自分にとってもチームにとっても素晴らしい経験になった。最後の全北現代戦ではいろいろなレギュレーションに自分たちが集中しすぎていたらまったく違った結果になったと思う。勝点や負けてもいけるといった細かい部分で考え過ぎて選手に伝えてピッチに送り出していたら難しくなっていただろう。この1試合に懸ける、自分たちがやってきたことをしっかり出すという部分で、選手たちはしっかり表現してくれた。過去4年ですごく若返っているチームだと思うが、このACLの経験がすごく価値のあるバリューになった。この経験をJリーグなどでも成長としてピッチで表現してくれたらと思うし、楽しみにしている」

 

――全北現代戦前日の会見で勝ち上がり条件について「私は5分も考えていない」と話していた。これはチーム内に向けてメッセージでもあったのか?

 

ヨコエク

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