不安点のない2-0完勝で、首位を堅持。 グループ1位突破へ向けて、トリコロールの視界は良好だ [ACL5節 ホアンアイン・ザライFC戦レビュー]
ここへきて急速に取り戻しつつあるマリノスらしさ
ケヴィン・マスカット監督は開口一番、こう切り出した。
「本当に最高の試合を選手たちがやってくれた。不思議なのは、試合ごとにフィジカル、内容が上がってきていること」

©Y.F.M
指揮官が目を丸くするほどチームの動きは良くなってきた。グループステージ前半のような重苦しさは消え、ピッチコンディションにアジャストし、ボールフィーリングも上がってきたのだろう。マリノスらしいインテンシティの高さと動きの流動性がだいぶ戻ってきた。
そうなればホアンアイン・ザライFCは苦戦する相手ではない。もちろんリスペクトの意味を込めて、決してイージーな相手ではない。とはいえJリーグではもっとレベルの高い個、より洗練された戦術を有するチームと相対している。
ビルドアップの起点となる高丘陽平も言葉に自信を込める。
「正直に言えばJリーグよりも相手のプレッシングのオーガナイズは連動していないので、絶対に空いているところがある。ちゃんと見えたところにしっかり出すことを徹底できれば、フィールドプレーヤーたちがちゃんといいポジションを取ってくれるので、僕個人的にはそんなに難しいことはしていない」

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自分たちのサッカー、スタイル、リズムを取り戻すことさえできれば、あとは地力が違う。第1節では先制を許した末にレオ・セアラの2得点でなんとか逆転勝利を収めた相手に、前半からチャンスの山を築いていく。
得点こそセットプレーによる2ゴールでも、内容的には相手にほぼ付け入る隙を与えない完勝だ。
マルコスの苦悩と畠中というターゲット
マルコス・ジュニオールが今季初めてゴールネットを揺らした。長いトンネルを抜けるきっかけをようやく見つけた、といったところか。

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背番号10にとって今季は苦悩の日々が続いた。開幕戦となった2月19日のセレッソ大阪ではプロキャリアで初めてとなるPK失敗。もちろんマリノス加入後もすべて決めてきたPK職人にまさかの事態が発生すると、それは暗転の始まりだった。
2月27日の柏レイソル戦では負傷交代を余儀なくされ、復帰後初先発を飾った3月18日に鳥栖戦でも再び負傷して戦線離脱。心身ともにベストコンディションでプレーできた試合はほとんどなかった。
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