ピンチだけでなくチャンスもあった悔しい0-1。 水沼宏太は「紙一重の世界なので」と冷静に受け止めた [ACL 2節 全北現代戦レビュー]
ミスがあったのは事実だが、すべてが悪かったわけではない
3日前のホアンアイン・ザライFC戦から先発を7選手入れ替えて臨んだ。
そもそもこの全北現代戦を見据えたメンバー編成で初戦に臨み、苦戦しながらも狙い通りに勝点3をゲットしていた。そしてプラン通り大幅に先発を入れ替えて連勝を目指した一戦。グループ1位に大きく近づくために、この試合も勝って2連勝スタートを切るという青写真を描いていた。
立ち上がりの内容は悪くなかった。そして6分にいきなり決定機を作り出す。最前線からプレスを仕掛け、相手GKのパスミスを奪う。初戦をあえて回避したことで元気いっぱいのエウベルが無人のゴールを狙ったが、シュートは枠の外へ逸れた。ケヴィン・マスカット監督は「ファイナルサードの質を上げる必要がある」と振り返ったように、この試合最初の決定機でゴールを奪っていれば展開はまったく違ったものになっただろう。
もしくは先制を許したのちの42分の大チャンスを決めていれば……。
後方からのビルドアップで攻撃を組み立て、幅を使った攻撃からややインサイド寄りに入った水沼宏太がクロス。ファーサイドで待っていた西村拓真の落としを、3列目から飛び込んだ岩田智輝がフィニッシュしたシーンだ。しかし相手GKのファインセーブに阻まれてしまう。
「ああいうシーンが入っていれば全然違う展開になったと思っている。そこは紙一重の世界なので、あれは決められればよかったかなと思うけど」と水沼。見た目にも美しく、実際に全北現代の守備組織を完全に翻弄する素晴らしい場面を作り出した。
このように自分たちの形をまったく作れなかったわけではない。失点場面などが象徴するようにミスがあったのは事実だが、すべてが悪かったわけではない。どうしても結果への印象が強すぎるなるあまり、内容すべてを悲観するのは残り4試合に向けて得策とは言えない。
良かった部分や継続すべき部分をしっかりと認識し、その上で修正点や改善点を抽出する作業が大切だ。
選手交代後はぶっつけ本番に近い状態へ
分かっていたこととはいえ、中2日で6連戦という日程は過酷だ。マリノスのサッカーはハードワークが基軸となり、インテンシティの高さが特徴でもある。それだけに同じ条件下でも、気候的な部分も合わせて今大会のレギュレーションは非常に難しい。
もっとも言い訳していても意味がない。そんなことは百も承知の上で大会へ臨み、備えも行ってきた。冒頭でも述べたように全北現代戦を見据えた初戦のマネジメントはほぼパーフェクトで、昨日の試合も勝っていればマリノスとその指揮官はおおいに称賛されていただろう。
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