「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

両ウイングの活躍で川崎フロンターレを粉砕。 新たな一歩を踏み出した道は必ずやタイトルへとつながっている [J9節 川崎戦レビュー]

 

先制点献上は序章に過ぎなかった

 

自慢の攻撃力を存分に発揮し、前年度のチャンピオンチームを粉砕。後半だけで4得点を挙げて逆転する痛快ゲームで今季初勝利を手にした。

とはいえ相手は間違いなく強者で、90分間すべてを支配したとは言い難い。ボールポゼッションで後手を踏み、主導権を握られ、ピンチを迎えた場面もあった。マリノスにとって決してパーフェクトな試合ではなかった。

実際に、先制点を許している。一瞬の隙を突いてディフェンスラインの背後を突かれ、そこからの折り返しを決められた。これには19分に家長昭博の決定機を防いでいた高丘陽平もお手上げ。前半を0-1で折り返し、その時点では劣勢という表現のほうが正しかったかもしれない。

だが、すべては序章に過ぎなかった。前半の45分間は、後半にマリノスが爆発するための助走期間で、マリノスはまったく慌てない。仲川輝人が「今日は前半そこまでチャンスがなかったけど、後半になって相手も疲れてくるし、自分たちは後半のほうが点を取れる確率が高いと思っている」とにらんだ通りの展開である。

反撃の狼煙を上げたのはエウベルだ。

 

 

57分にマルコス・ジュニオールのクロスにジャンプ一番、頭で合わせる。昨季から打点の高さを見せつけていたが、ようやく得点として結実した。助走をつけて相手の上から叩いたヘディングはGKにとってノーチャンスのコースへ飛んだ。

そのエウベルは逆転に成功した後の64分にもミドルシュートを決める。相手DFに当たってコースが変わる幸運もあったが、それを差し引いてもこの日のパフォーマンスは圧巻。巧みなファーストタッチのターンで前を向くと、相手はファウルで止めるしか術がない。その繰り返しがボディブローのようにフロンターレを追い詰めていった。

 

 

文句なしのマン・オブ・ザ・マッチだ。

 

 

チームとしての型と進化の証

 

そして仲川輝人である。

 

 

ヨコエク

(残り 781文字/全文: 1622文字)

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