最も計算できるセンターバックは岩田智輝? これだけの実力者をベンチに置いておくのは宝の持ち腐れで、今季のキーマンのひとり [開幕直前最新序列 (GK&DF編)]
2022シーズンの開幕が7日後に迫っている。今季はリーグ戦のみならずACLというアジアの舞台でも戦うだけに、陣容の充実が欠かせない。
そこで『開幕直前最新序列』と題し、今日と明日の2回に分けて詳細にレポートしていく。まずはGK&DF編から。
最後尾を守るGKは4選手で構成されている。
レギュラー最右翼は高丘陽平だ。昨シーズンはリーグ戦33試合に出場し、うち半分に迫る15試合でクリーンシートを記録した。広いプレーエリアを守りつつ、バックパスを的確につなぎ、時にはロングフィードで攻撃の突破口を作り出す。今季は「土壇場に強いチームになりたい」と結果にこだわる。すべてのポジションを見渡しても、ある意味で最もスタメンに近い存在だ。
2番手は栃木SCでの武者修行を終えて帰還したオビ・パウエル・オビンナか。ポテンシャルの高さに疑いの余地はなく、GKに必要不可欠な実戦経験を積んで再びレギュラー獲りを目指す。「一番変わった部分は自信」と語るようにゴールマウスを守る姿がひと回り大きくなったようにも感じる。ただし練習でイージーミスが散見されるため、ケヴィン・マスカット監督をはじめとする首脳陣の信頼を勝ち取るためには継続的なアピールが欠かせない。
それを追うのがベテランの中林洋次とプロ2年目の田川知樹だ。チーム最年長の中林は相変わらず練習に取り組む態度が素晴らしい。状況に関わらず実直に生きる姿勢はプロの鑑。いつでも出場できる準備が整っている。田川は昨季終盤の負傷が尾を引き、全体練習に合流したばかり。先輩を押し退けて試合出場するのは簡単ではないが、同期の樺山諒乃介の存在は刺激になっているはず。プロとして戦っていくためのフィジカルは徐々に向上しており、あとはスキルを磨いてチャンスを狙いたい。
次にDFで、登録は11選手。センターバックが4選手、サイドバックが6選手、そして残るひとりが岩田智輝で、センターバックとサイドバック、そしてボランチをこなす守備のマルチロールという位置付けになる。
センターバック2席のレギュラー候補は畠中槙之輔とエドゥアルドだ。チアゴ・マルチンスの電撃移籍は間違いなく痛手だが、畠中は「自分としても勝負のシーズン」と鼻息を荒くしてる。長期離脱明けで自身のコンディションとも向き合わなければいけないが、エドゥアルドとの新コンビ結成にあたり右センターバックに慣れるという課題もある。
エドゥアルドは空中戦に強く、左利きらしいビルドアップ能力も魅力。ロングフィードというチアゴにはなかった武器も有している。その反面で、ハイラインの背後をカバーするスピードと反転能力にはやや不安を残す。ここは畠中や高丘との連係も含めて最終ラインの設定を微調整する必要がありそうだ。
その二人を追いかけるのが實藤友紀と角田涼太朗になる。スピードのある實藤はハイラインディフェンスへの適性が高く、得点能力も魅力。ただしキャンプ中の負傷で出遅れてしまった。昨夏にプロ契約した角田は今季に掛ける意気込みは並々ならぬものがあるが、経験不足という課題は公式戦の舞台に立つことでしか解消できない。トレーニングではボールを持った際に際立つプレーを披露しているだけに、同じ左利きのエドゥアルドという壁を乗り越えての定位置奪取を目論む。
こうして順番に眺めていくと、開幕時点で最も計算できるセンターバックはサイズ、経験、スピード対応、ポテンシャルとすべての面で期待できる岩田かもしれない。
(残り 686文字/全文: 2234文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ