「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

痛快スプリントの仲川が決勝アシスト。 前田は得点ランクトップ独走の17点目で勝利をもたらす [J31節 湘南戦レビュー]

 

高丘陽平のファインセーブは勝ち点3の価値

 

「湘南の山口監督はいいチーム作りをしていると感じた」

「組織的でコンパクトに戦ってくるチームを崩すのは簡単ではない」

「彼らは素晴らしいサッカーをしてきた」

 試合後、ケヴィン・マスカット監督は湘南ベルマーレの強さを認め、賛辞を惜しまなかった。

 

 

たしかに前半はホームチームに軍配が上がる試合内容で、マリノスは「いつものテンポではなく、ボールが遅く回っていた」(マスカット監督)。自慢の攻撃力は影を潜め、放ったシュートはわずかに1本。ゴールチャンスや決定機は皆無だった。

最近4試合は我慢しきれずに先制点を許し、結果として1勝1分2敗と苦しんでいた。この日も主導権を握れない展開で、いかに相手にチャンスを与えないか。仮にピンチを迎えたとしても無失点でしのげるか。湘南ベルマーレ戦における最大のポイントだった。

絶体絶命のピンチを救ったのはGK高丘陽平だ。

 

 

前半30分、マリノスは自陣からのビルドアップに失敗してボールロスト。湘南ベルマーレにショートカウンターを許して、マリノスの最終ラインを突破した町野修斗がGKとの1対1に。しかし高丘は正確なポジショニングで距離を詰め、最後まで冷静に相手の動きを見極めての対応で事なきを得た。

これで高丘は“当たった”のかもしれない。なんとか先制に成功した後の後半34分にもファインセーブでチームを救う。ウェリントンのヘディングシュートは打点が高く、威力も十分。それを完璧な反応でシュートストップしてゴールを割らせなかった。

 

 

スコアレスの状況で失点していれば、またしても追いかける展開で敗戦の可能性があった。同点に追いつかれていたら勝ち点3ではなく勝ち点1で終わっていたかもしれない。

勝利を大きく手繰り寄せたという意味で、高丘にしかできないプレーは勝ち点3の価値があった。

 

 

仲川&前田で決勝ゴールが生まれる

 

守備のヒーローが高丘だとすれば、攻撃のヒーローは仲川輝人と前田大然になる。

マスカット監督はスコアレスで迎えた64分に3枚替えを敢行。マルコス・ジュニオール、杉本健勇、そして仲川をピッチに送り込む。贅沢至極な選手交代だが、これができるのもマリノスの強みである。

 

 

 

ヨコエク

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