「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

俊輔、中澤、伊藤翔はバスに乗らず [ACL3節メルボルン戦プレビュー] (藤井雅彦)-1,564文字-

 

このACL第3節・メルボルン・ビクトリー戦に向けた選手および監督のコメントを拾うことはできなかった。それもそのはず、チームはJ1第3節・徳島ヴォルティス戦をニッパツ三ツ沢球技場で消化した後、そのままバスで成田空港へと向かい、その日のうちに飛び立っている。自分がマリノス担当になった06年夏以降、こういったケースで公式戦を迎えたのは記憶の中で一度もない。たたでさえコンディション維持が難しい中2日の試合で、さらにアウェイへの海外移動が含まれるのだからハードだ。まずはピッチ外の試練を克服しなければ勝利は得られないだろう。

次戦ACLメルボルン戦は藤井雅彦と観る!

下バナー

 

4-2-3-1_ACL2 遠征に向かうにあたっての最大のトピックは中村俊輔、中澤佑二、そして伊藤翔の主力3選手がバスに乗らなかったことだろう。いずれも中2日での強行軍を回避し、リーグ第4節・ヴァンフォーレ甲府戦に向けてのコンディショニングを優先させる采配である。「誰が出てもコンセプトの中で特徴を出せる。チャレンジするタイミングでもある」と樋口靖等監督。とはいえ攻守における2枚看板と今季から新たに加わった新進気鋭のFWはいずれもセンターラインを支える選手だ。特に中村不在はチーム編成に大きな影響を与え、性質そのものを変える可能性がある。

中村不在のトップ下で起用されるのは、おそらく藤本淳吾である。キャンプ中は中村不在に備えてその位置でテストされていた。公式戦開幕後は中村が健在のため右MFを務めていたが、今節初めて中央で先発出場することになる。ただし中村と藤本ではプレースタイルが大きく異なる。端的に言えば、藤本は中村ほど下がった位置でビルドアップに絡むことはないだろう。その役目はボランチに任せて、どれだけ前線で我慢できるか。あるいはライン裏へのランニングで機動力を出せるか。逆に言えば、それをしなければ藤本をトップ下で起用する意味は薄れてしまう。

そのほかのポジションを見ていくと、いくつかのポジションで直近の徳島戦からの変更がありそうだ。1トップには広州恒大戦で結果を残した端戸仁が入り、藤本が中央にスライドしたことで空席となる右MFには佐藤優平が入るのではないか。ちなみに広州恒大戦で腰を打撲した兵藤慎剛も大事をとって遠征メンバーから外れている。さらにボランチは小椋祥平と三門雄大の初コンビが有力視され、左SBには徳島戦で「試合勘を戻しておきたかった」と指揮官が語って途中出場した奈良輪雄太が起用される見込みだ。そしてCBは栗原勇蔵とファビオがコンビを組む。

顔ぶれを見れば不安はさほどないが、このメンバー編成でどういったサッカーが展開されるかは未知数。もちろん相手の実力もどれほどか分からない。チームとして慎重な入りになるのは仕方のないことで、だからこそ先制点が持つ意味は大きくなる。先に失点すれば、拠り所のないチームは落ち着きを失い、平常心で戦うことが難しくなる。出場選手中最年長の栗原や藤本にはチーム全体を見渡して振る舞いが求められる。

この一戦を終えるとACLのグループリーグは折り返しとなり、先が見えてくる。広州恒大戦で得た勝ち点1を次につなげるために、ここはなんとしても勝ち点3が必要。真剣勝負の場が1試合でも増えることはチーム強化の観点でも重要なことだ。「厳しい試合になる」(栗原)だろうが、しぶとく勝ちを拾って横浜に帰ってきてもらいたい。

 

次戦ACLメルボルン戦は藤井雅彦と観る!

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ