「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マルコス退場による数的不利もなんのその。オナイウ&前田のゴールで今季初の5連勝 [J21節 柏戦レビュー]

 

10人になってもマリノスの姿勢は変わらなかった

 

35分、マルコス・ジュニオールが後方からの危険なタックルで一発退場を命じられた。試合時間を半分以上残し、ひとり少ない状況で戦わざるをえなくなった。

 

 

アウェイゲームで攻撃の核を失ったのだから、勝ち点1で御の字という考え方が普通かもしれない。少なくとも前半残り10分程度をやり過ごし、後半に入ってもある程度の時間まではスコアレスで推移させていき、終盤に訪れるワンチャンスを狙う。これが一般的なセオリーだ。

マリノスは違う。マルコスが退場になっても動揺の色は一切なし。11人で戦っている時と変わらずボールをつなぎ、アグレッシブなポジションを取る。ひとり少ないビハインドは全員の運動量と意識でカバーする。

トップ下が抜けた4-4-1で堂々と戦った前半の残り時間が誇らしい。45分にはインサイド寄りでボールを受けた小池龍太のサイドチェンジから左にポジションを移していたエウベルが折り返し、中盤の底からペナルティエリア内へ走り込んだ扇原貴宏がダイレクトシュート。惜しくもゴールならなかったが、10人とは思えない美しいプロセスとフィニッシュだった。

 

 

「ひとり少なくなったことに対するネガティブなものがなかった。人数が少なくなってもスタイルを徹底していこうと。特にボールを回していこうというテンポや、相手ボールへの寄せや厳しさは10人になっても継続してやれた」

 暫定的に指揮を執っている松永英機監督は誇らしげに胸を張った。

 

 

 

オナイウは11点目、前田は10点目

 

後半開始時からエウベルに代えて喜田拓也を投入。中盤は扇原と岩田智輝に喜田が加わるトリプルボランチとなり、最前線はオナイウ阿道と前田大然の2トップ。システムを4-3-2に変更した。

 

 

しかし試練は続く。後半開始から間もない50分、畠中槙之輔が違和感を訴えてピッチを退く。バトンを受けた實藤友紀はこの試合が今季リーグ戦初出場に。経験豊富なプレーヤーとはいえ、一抹の不安は拭えない。マリノスにとってはより難しいゲームになった。

だが、すべてはフィナーレへの前フリに過ぎなかった。

63分にティーラトンと天野純を投入して運動量を補充すると、76分にそのティーラトンのロングフィードに前田が抜け出す。前田の鋭いクロスを最高のトラップで受けたオナイウが右足を振り抜き、均衡を破った。

 

 

 

ヨコエク

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