背番号14の進化が止まらない。神戸との上位対決を制したマリノスは4連勝で3位に順位を上げた [J13節 神戸戦レビュー]
ピンチにも動じず、精神的に強くなったマリノス
ラストプレーで相手のクロスをヘディングクリアしたチアゴ・マルチンスは、そのまま自陣ゴール前に倒れ込んでしまった状態で試合終了のホイッスルを聴いた。このシーンが象徴するように気温が高いゲームコンディションで、消耗戦の様相を呈したゲームを苦労しながらもしっかりと勝ち切った。
チャンスとピンチだけを切り取った時に、序盤から相手を圧倒できたとは言い難い。最初の決定機を作り出したのはヴィッセル神戸で、マリノスは15分に古橋享梧に最終ラインの背後を突かれて被決定機を迎えた。GK高丘陽平の好セーブによって事なきを得たが、ひとつのシュートやひとつのゴールによって流れは大きく変わっていた可能性の高いゲームだ。
そういった場面で今季のマリノスは失点しない。そしてピンチの後にしっかりと顔を上げ、立ち直る精神的な強さもある。チアゴは60分過ぎから足をつり、試合終盤は畠中槙之輔も足をつる素振りを見せた。高いパフォーマンスを見せていた最近数試合と比較すれば、守備時のアラートさや最終ラインを押し上げるスピードは足りなかったかもしれない。
それでも結果として失点していないことが素晴らしい。これに関しては結果論の部分も大きく、ひとつのミスから失点してしまえば粗探しが始まりかねないのだが、今年のチームには主導権を握れていない時間を受け入れる懐の深さや余裕がある。
集中力高くプレーしてピンチを防いだGK高丘は「試合の中で1~2回は被決定機がある。そこをいかに止めるか、防ぐかで相手に主導権を渡さないようにすることが大事」と戦前から見据えていた。ハードワークし続けた扇原貴宏は「チームが好調だからこそ目立たないところでの仕事が大事になってくる。前線にはゴールを取れる選手がいるので、しっかり泥臭い仕事をやっていきたい」と話し、どんな展開にも対応できるように心の準備を怠らなかった。
これで3試合連続今季7試合目のクリーンシートを達成。攻守が高いバランスで整ってきた。
ゴールを決めたベンチから遠いサイドのゴール裏へ
さて、天野純である。
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