「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

失点シーンを忘れさせてくれる3ゴールを決めたのが、トリコロールが誇るストライカーたち。前田大然は追撃の1点目と値千金の同点ゴール、オナイウ阿道は公式戦2試合連続ゴール [J2節 広島戦レビュー]

 

前半だけで3失点を喫したという事実。しかし崩されていないという真実

 

あえて前半に喫した3失点を振り返り、精査したい。耳が痛い話をしたいわけではなく、次節以降につなげるための必要な作業だ。

 

 

先制点を献上したシーンは、相手のロングボールに対して松原健が自陣ゴール方向に戻りながら対応。エゼキエウのプレッシャーを受けたことでサポートしたチアゴ・マルチンスに預ける。そこでチアゴがボールを大きく蹴り出せば事なきを得ただろうが、マリノスはショートパスをつなぐ。チアゴは二度追いしてきたエゼキエウをかわそうとして足裏テクニックを駆使したが、ボールを奪われ、さらに入れ替わられたことで手を出してしまい、PKを献上してしまった。

2失点目はセットプレーからの二次攻撃でドウグラス・ヴィエイラにシュートを許し、これをオビ・パウエル・オビンナがストップしたものの、前へこぼしてしまって押し込まれた。オビにしてみればキャッチしておきたいところだったか。だが、そもそもセットプレーを与えたのは警戒していたジュニオール・サントスの突進がきっかけで、岩田智輝が体を投げ出す形でなんとかストップした。

 

 

最後に3失点目だが、前半アディショナルタイムに自陣ゴール前で仲川輝人が必死にクリアを試みた。しかし、このボールが目の前にいた松原健の振り上げた腕にヒット。瞬間的にはジャッジできない出来事だったが、VAR判定の末にハンドとなってPKを与えるという、なんとも不運な形だった。

 

 

このように組織的に崩された失点はないのが真実だ。前半だけで3失点を喫したのは事実でも、その内容はさほど気にするものではない。実際に前半、流れの中からサンフレッチェ広島に与えた決定機はなかった。個々のミスと不運が重なった3失点ならば、次の試合に向けた修正は技術や戦術よりも、むしろメンタル面だろう。過度な心配は不要だ。

 

 

二人のストライカーが見せている成長は残り36試合に向けた希望となる

 

そんな失点シーンを忘れさせてくれる3ゴールを決めたのが、トリコロールが誇るストライカーたちだ。

 

 

ヨコエク

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