「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「生まれ育った集落は3つの家庭、14人しか住んでいませんでした。隣の集落までは2キロメートル以上。街へ出るには100キロメートルはありました」 [エリキインタビュー(前編)]

[エリキ選手インタビュー(前編)]

実施日:11月11日(月)
インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

 

だから僕はいつも笑っていたい

今夏に加入し、ここまで5得点の活躍を見せているのが、抜群の身体能力を誇るアタッカーのエリキだ。

試合でのゴール後や勝利後はもちろんのこと、日々の練習前後も常に笑みを絶やさない。ニコニコと人懐っこい笑顔で、チームメイトや報道陣に明るく接する。

独占インタビューでルーツに迫ると、彼が生まれ育った環境がぼんやり見えてきた。土で作られた家に住み、農業で生計を立てるエリキ一家。

彼が笑う理由は、そこにあった。

 

 

 

 

――エリキ選手はいつも楽しそうに過ごしていますね。どんな時も笑顔を絶やさない印象です。

「F・マリノスに加入してからは、なるべく早く環境に順応することと、チームの和に入ることを意識して、常に楽しい気持ちで過ごそうと心がけています。仲間との信頼関係を築くことはとても大切なことです。

 ただ、それは僕にとって来日前から意識していることでもあります。サッカー選手としての人生は短いものです。いつか引退しなければいけない日が必ずやって来ます。それなら毎日を楽しく過ごさなければもったいないじゃないですか。

 僕はプロキャリアの中でも、いつも楽しく過ごすことをモットーにしています」

 

 

――では落ち込んだり、イライラしたりする感情はないのですか?

「その質問に対する答えは、僕が生まれ育ったルーツに大きく関係していると思います。

 僕はブラジルの田舎で生まれ育ち、とても貧しい暮らしでした。そういった環境で過ごした背景があるからこそ、今は楽しいことしかありません。サッカー選手になってからの日々は、毎日が素晴らしいことばかりです。だから僕はいつも笑っていたい。怒りや苛立ち、不満といった感情よりも、とにかくポジティブに過ごしたい」

 

 

――どのような環境に生まれたのか、ルーツを教えてもらえますか?

「僕自身のルーツを話すことは大好きですし、誇らしい気持ちになります。その過去があったからこそ現在の僕があると思っています。

 僕が生まれ育った集落は3つの家庭しか、正確には14人しか住んでいませんでした。隣の集落までは2キロメートル以上離れていました。栄えている街へ出るには距離にして100キロメートルくらいあったと思います」

 

 

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