「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

与えられたポジションはストライカー。ピッチ内に心血を注ぎこむ李忠成がゴールネットを揺らすシーンが目に浮かぶ

 

「たしかに若い選手は多いけど、自分が年長者ということはあまり意識していません。最年長の(栗原)勇蔵くんがいい感じのタイミングでギャグを飛ばしてくれているし」

 李忠成は自然体のまま、しかしランニングでは不思議と先頭グループを走っている。

今季からチームに加わった33歳は酸いも甘いも知っている。数々のタイトル獲得経験だけでなく、日本代表での活躍や海外移籍を経て、人間的にも大きく成長した。一方で、柏レイソル時代はJ2降格の憂き目にあった過去も持つ。すべてを順風満帆に過ごしてきたわけではないからこそ、伝えられることがある。

「ここまでいいキャンプを過ごせている。体はバキバキだけど、それは毎年のことですよ(笑)。このチームにはクオリティの高い選手が揃っている。まだ試合をやっていないけど、うまくやれそうな感じがしている。26歳前後の選手が多くて、彼らはこれから急激に伸びる時期でもある」

 俯瞰した目線とは言い過ぎだろう。まだまだ老け込むような年齢ではない。それでも一歩引いたところから景色を眺められるのは、経験の成せる業である。

 

 

キャンプ序盤、印象的なシーンを目にした。

全体練習終了後、李が通訳を交えながらアンジェ・ポステコグルー監督と何やら真剣な表情で話し込んでいる。

 

 

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