「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

12月初旬の段階で大多数の選手と今後の方向性を確認。「話し合いは11月までに終わらせておくもの」と強化担当スタッフ [F・マリノス、来季のチーム編成について]

 

 

 

リーグ最終節・セレッソ大阪戦をもって2018年の全日程が終了。翌日に全体ミーティングを行い、チームはシーズンオフに入った。

2019年は1月10日に始動することが発表されており、今回のオフは5週間半と久しぶりに長い。シーズン終了とほぼ同時にオフに入るのは外国人監督ならでは。プロ3年目を戦い終えた遠藤渓太は「今まで長いオフを過ごしたことがないのでどうすればいいのか分からない」と少しソワソワしていた。英気を養い、リフレッシュした状態で来季を迎えたい。

黒澤良二社長が「来季もまたポステコグルー監督が指揮を執るということをクラブとして決定した」と話したように、来季は就任2年目でのタイトル獲得を目指す。そして、そのための戦いはすでに始まっている。ピッチ内でのシーズンは終了したが、来季に向けたチーム編成はここからが本格的なスタートだ。

すると6日、徳島ヴォルティス・DF広瀬陸斗の移籍加入が発表された。金井貢史の移籍後は本職を右サイドバックとする選手が松原健しかおらず、駒不足は明らか。秋頃には移籍市場で噂に上がっていた名前で、納得の補強である。

また、8日にはGK鈴木彩貴の契約満了リリースが。在籍2年間で公式戦出場記録はゼロだったが、GK陣のチームワークを支える一因となっていた人間性は「素晴らしい」の一言。マリノスでの経験を生かし、新天地での活躍を期待したい。

 

 

並行して既存戦力とも来季に向けた話し合いを進めているが、今年に関しては昨年までとかなり様相が異なる。

 

 

PREMIUMコースとは

 

端的に言うと、強化スタッフの動きがいつも以上に早い。今季限りで契約が切れる選手はもちろんのこと、来季以降も複数年契約を残している選手に対しても迅速かつ的確にアプローチ。9~10月から選手だけでなくそのエージェントと下交渉を開始し、12月初旬の段階では大多数の選手と今後の方向性を確認し終わっている。

交渉を担当するスタッフ曰く「そういった話し合いは11月までに終わらせておくもの」と涼しい顔。そのためシーズン終了後に選手個々と行っている面談は、あくまで今季の振り返りに主眼が置かれている。以前の強化責任者時代では考えられないほどスピーディーな動きで、選手としても判断・決断の材料が早く揃うのは好都合だろう。

その甲斐あってか、主力の大多数は来季もマリノスのユニホームを着てプレーする可能性が高い。もちろん契約事はサインを交わすまで油断できないが、少なくとも大量流出するような事態はなさそう。また、出場機会に恵まれていない若手は、これまで以上に期限付き移籍を活用していく方針のようだ。

現状では平穏で順調なオフを過ごしている。しかしながら最大の目的はタイトルを獲得するための陣容を整えること。退団が決定的なウーゴ・ヴィエイラに代わるストライカーをはじめとした外国籍選手の補強は必要不可欠で、それ以外のポジションにも戦力の拡充が必要だろう。

Jリーグは8日にJ1参入プレーオフを終え、これで来季を戦う各カテゴリーのチームがすべて確定した。ストーブリーグが過熱していくのはこれから。既存戦力に対して効果的なアプローチを見せて一定の成果を収めているが、今後はさらなる新規戦力の獲得に向けた動きを活性化させていく必要がある。

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ