「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「少し前まではもっとイケイケのプレースタイルでした(笑)。でもそれだけではいけない。前にいるテル(仲川輝人)の生かし方を考えています」[松原健インタビュー(前編)]

 

【松原健選手インタビュー(前編)】

実施日:9月27日(金)

インタビュー・文:藤井 雅彦
写真:星 智徳
協力:横浜F・マリノス広報室

 

 

今季のF・マリノスにおいて、最も特殊で特徴的なポジションはサイドバックではないだろうか。
その片翼を担うのが、加入2年目の25歳・松原健だ。右サイドバックのレギュラーとして、ここまでリーグ戦23試合(第28節終了時点)に出場している。
リーグ最多得点を誇る攻撃力に視線が注がれる中、「地味と言えば地味」と語るポジションで何を考えているのか。背番号27の思考に迫る。

 

 

――加入2年目のシーズンも佳境を迎えています。現在のご自身の立ち位置をどのように考えていますか?

「もう25歳ですし、26歳の学年ですから若手ではないと思っています。それは去年F・マリノスに移籍してきた時から意識していること。試合にもある程度出させてもらっている状況で、もっとリーダーシップを取らないといけません」

 

――年齢的には若手から中堅に足を踏み入れた時期でしょうか。

「そうだと思います。でも今は(中澤)佑二さん、(栗原)勇蔵くん、マチくん(中町公祐)、(飯倉)大樹くん、(伊藤)翔くんといった年齢が上の選手たちが引っ張ってくれているのをすごく感じます。ただ、(遠藤)渓太のように自分よりも年下の選手も試合に出ています。だから自分はもう若手ではありません」

 

――それでも遠慮している部分がある?

「それは正直、少なからずあります。年齢が上の選手たちはF・マリノス在籍年数も長く、それぞれが輝かしい経歴を持っています。浦和戦翌日の選手ミーティングでも先輩たちが僕たちの意見を代弁してくれて、やっぱり重みと説得力があるんです」

 

――胸を張ってレギュラーと言ってもいい立ち位置なのでは?

「試合には出ているけど、軸ではないというか…。まず自分のプレーをしっかりしてから周りに発信したい。まだその日の調子によって左右されている自分がいるかもしれません。本当はそういった要素を抜きにして、ピッチに立つ以上はもっとリーダーシップを取らないといけない」

 

――サイドバックというポジションの性質もあるのでは?

「どちらかというと脇役かもしれませんね。基本的には真ん中のラインの選手が主役になると思います。だから地味と言えば地味(苦笑)。でも今シーズンのサッカーにおいて、サイドバックは重要な役割を果たしていると実感していますし、やりがいも感じています」

 

――シーズン序盤は特殊なポジショニングが話題を集めました。これまで以上にフォーカスされる機会が多いのでは?

「あんなにインサイドにポジションを取るサイドバックのチームはなかなかないし、ある時はFWのラインまで高い位置を取ります。すごくフォーカスされているのを感じるけど、シーズン当初は戸惑いながらプレーしていました」

 

 

 

――終盤になった現在はもう戸惑いはない?

「4バックから3バックにシステム変更した時、すごく戸惑いました。ただ、それまで4バックでやっている時も戸惑いは多少なりともあったんです。それが3バックから4バックに戻った時、ふと戸惑いが消えた。こんなにやりやすいのか、と。それは見ている人にも伝わったと思います。僕もヤマ(山中亮輔)も迷いはだいぶ消えました」

 

――今シーズンのスタイルにおいて、どんなプレーに喜びを感じていますか?

「ゴールやアシストはもちろん嬉しいけど、その一つ手前のところ。自分が起点になったプレーからチームのゴールが生まれるのは嬉しい。最近は右サイドのコンビネーションが出来上がりつつある」

 

――プレースタイルが変わったということですか?

「少し前まではもっとイケイケのプレースタイルでした(笑)。オーバーラップからクロスでアシストすることしか考えていませんでした。それがサイドバックとしての一番の見せ場だと思っていたので。でもそれだけではいけない。前にいるテル(仲川輝人)の生かし方を考えています」

 

――仲川選手の取扱説明書を教えてください。

 

 

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