「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「(寮の)夕食後は(町野)修斗の部屋で(生駒)仁と3人でサッカーゲームをやったり。たぶん自分が一番うまいけど、修斗はR・マドリードを使ってちょっとずるい(笑)」 [山田康太インタビュー(第3回)]

 

【山田康太選手インタビュー(第3回)】

実施日:5月24日(金)
インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

前回からつづく

 

山田康太は一部のサポーターから『ハマのプリンス』と呼ばれている。

しかしピッチ上での彼は、必死に体を投げ出し、相手とボールに食らいついていく。「目の前の選手には絶対負けない」という言葉からは鬼気迫るものを感じさせる。

サイドバックでもインサイドハーフでも、存在感は増すばかり。闘えるプリンスは「いつかF・マリノスを代表する選手になりたい」と野望を明かした。

 

 

 

――先発デビューのポジションは右サイドバックでした。慣れないポジションに戸惑いはありませんでしたか?

「今までやったことのないポジションだったので少し不安もありました。でも最初のベガルタ仙台戦である程度できて、それからの練習でもサイドバックでプレーする機会が増えました。今のF・マリノスのサッカーの場合、普通のサイドバックとは役割が少し違うので、大きな違和感はありませんでした」

 

――インサイド寄りのポジショニングですね?

「そうです。タッチラインを背負ってボールを受ける機会はあまり多くありません。中央寄りでボールに関わった後も柔軟にポジションを取っているので、従来のサイドバックに求められる要素は少ない。ただ守備に関しては難しさもありました」

 

――今年のF・マリノスはハイラインです。ルヴァンカップのアウェイ・アルビレックス新潟戦では背後を突かれて失点してしまいました。

「中盤の競り合いからこぼれ球が相手に渡りました。その瞬間に対面していた選手が斜めに走り出したのですが、対応が遅れてしまいました。気がついたら決定的なパスを出されてしまっていた。自分がラインを気にした時にはもう遅かった。もっと内側に絞ってパスを外側に出させるようなポジショニングが必要だったと反省していますし、それを瞬時の判断でやらなければいけない難しさがあります」

 

――中盤でプレーするよりも気を抜けない?

「常にラインコントロールしながら周りの選手とコミュニケーションを取っています。一発で失点する怖さはあります。でもサイドでの1対1に苦手意識はありません。練習ではテルくん(仲川輝人)や(遠藤)渓太くん、ユンちゃん(イルロク)とマッチアップすることが多いので、どんどん仕掛けてもらっています。そのほうが試合につながりますから」

 

 

 

――ルヴァンカップ・FC東京戦では久保建英選手とマッチアップし、見事にボールを奪っていました。

「ちょうどU-19日本代表の影山雅永監督が視察に来ていて『建英にやられるなよ』と冗談半分で言われていたんです。だから『絶対に負けられない』と気合いを入れて臨みました」

 

――プレーを見ているとフィジカルコンタクトなどを厭わず、競り合いやシュートブロックの場面で体を投げ出している印象があります。

「ルーズボールのフィジカルコンタクトでうまく体を当ててマイボールにできる感覚はありますし、Jリーグでも通用している部分はあると思います。相手のタイミングを見て一度体を当てるというか、言葉というよりも感覚的なものです」

 

――むしろ泥臭いプレーを得意にしている印象もあります。

「目の前の選手には絶対負けない。そういう気持ちで戦っています。それはサイドバックをやるようになって、すごく強くなりました。インサイドハーフの時も、相手が少しでもボールをさらしたら体を当てて奪うことを考えています。でも最終ラインをやることで守備意識や責任感が増したのは間違いありません。中盤の場合はボールをサイドに出させる守備や取り切らなくても問題なかったけど、今のサッカーのサイドバックはボールにプレッシャーをかけないと最終ラインを下げざるをえない。できるだけ自分のところで奪い切る守備を心がけています」

 

――競り合いをまったく厭わないプレースタイルの山田選手ですが、サポーターは『ハマのプリンス』と呼んでいるようですね。

 

 

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