You’ll Never Walk Alone Magazine「ユルマガ」

【VS川崎フロンターレ】国立に響き渡ったYou’ll Never Walk Alone 立ち上がろうとする中村帆高の思い「また新しい自分が待っている」

 

12J113 FC東京 2-1 川崎フロンターレ(国立)

 

 一緒にボールを蹴ったら楽しいんだろうな――。

 

 それが僕の中村帆高というプレーヤーに抱く印象だ。喜怒哀楽がいつもそこにある。全てを懸けて、ピッチに立っている証しなのだろう。真剣に笑って怒って泣いてはしゃぐ。サッカーでウソはつけない。そんな選手の帰りを待ちたくなるよな――。そういう温かさが、この日の国立にはあふれていた。

 

 帆高は429日のJ110節アルビレックス新潟戦で後半終了間際に右アキレス腱を断裂し、担架に乗せられてピッチを後にした。長期の離脱を余儀なくされ、5月9日には都内の病院で手術を受けた。

 

 迎えた12日の多摩川クラシコに2-1で勝利した後、選手全員が戦列を離れている帆高の背番号2が入ったTシャツに袖を通した。そのフロント部分にはこんなメッセージが描かれていた。

 

HOTAKA

Everyone is waiting

You’ll never walk alone

 

 選手全員が横一列に並んで腰に手を回し、青赤の歌唄いたちと『You’ll Never Walk Alone』を大合唱する。その勝利の凱歌は、いつもと少し違って聞こえた。熱いエールを受け取った帆高は「これだけ待っている人がいてくれるなら」と、心が奮えたという。その思いは確かに届いていた。

 

「本当に全く知らなかったのでうれしかった。あれで覚悟が決まった。クラブが、みんなが待ってくれているならやるしかない。もうポジティブにやろうって。いつまでもネガティブになって下を向いていても、ああやって待ってくれているみんなに失礼なので。プレーで貢献はできないけど、やれることを全力でやることが今の自分にはできること。みんなを信じて頑張ろうと思いました」

 

 

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