You’ll Never Walk Alone Magazine「ユルマガ」

【沖縄・国頭キャンプ】青赤に再び袖を通した長友佑都がキャンプ地で会見 「バモストーキョー、バモスJリーグ! これからはJリーグを盛り上げないとね!」【無料公開】

 

 FC東京との契約を更新したDF長友佑都が13日、チームの沖縄・国頭キャンプに合流。初日はランニングなどの軽めのメニューで汗を流した。また、この日、キャンプ地で会見を開いた長友は報道陣から「ブラボー」を求められたが、代わりに「バモストーキョー、バモスJリーグ」と、力強く叫んだ。

 

 火事とけんかは江戸の華。青と赤にはお祭り男がいないと始まらない。Jリーグを盛り上げるために、FC東京の長友佑都が再び青赤に袖を通した。(以下、会見と、午前練習の写真です)

 

 

―昨日の契約更新に至るまでは?

「ワールドカップ’(W杯)カタール大会が終わってからは、心身共にしっかりと休みたかった。年明けまで休んでいたが、その1カ月の中で、自分と向き合って今後どういう道を進んでいくのかを考えた。やはりサッカーに対する偉大なる情熱を感じたこと、そして、その気持ちが固まるにつれてFC東京でタイトルを取りたい、シャーレを掲げたい気持ちが芽生えた。FC東京と話合ったのは年開け。FC東京側も自分を必要としてくれたので契約が結べた」

 

 

―初練習を終えての感想と、練習初日のグラウンドで野々村チェアマンとはどんな話をしたのか?

「自分のホームに帰ってこられたという安心感が芽生えました。一緒に戦ってきたチームメート、監督のアルベル(・プッチ・オルトネダ)、スタッフの笑顔を見て、より一層このチームで力になりたいという気持ちになった。野々村チェアマンとはJリーグを今後どう盛り上げていくのかを話しました」

 

―意気込みは。

「去年、アルベル監督の下でチームの素晴らしいベースは構築されたと思う。そのベースを元に今年はやはりタイトルを獲ることを目標に戦いたい。素晴らしい選手がいるので、自分たちならその夢を達成できると思う」

 

―タイトルを取りたいと話したが、個人の目標を聞かせてください。

「チームはJリーグのタイトルを取りたい。まずは選手としてピッチの上で自分の実力を示してチームの力になること。海外でも、日本代表でも、W杯でもたくさんの素晴らしい経験をしてきた。その経験を若い選手、後輩たちに還元できるようにしたい。そこが自分の大きな目標だと思う」

 

―サッカーの情熱が出てきたと話していたが。4年後のW杯への思いを。

「W杯は経験すればするほど、W杯のとりこになる。またこの場所で、選手として戦いたい気持ちは常にある。現役である以上は、僕は日本代表を目指したいと思っている。まずはFC東京で素晴らしい監督、スタッフ、チームメートの元で自分の実力を発揮したい。それが日本代表への道につながっているのかなと思う」

 

(ここで会見場の最後尾に立っていたアルベル監督がサプライズで、「私も質問したいです」とマイクを握る)。

 

―インテルで長くスタメンとして活躍し続けてきたが、高いレベルの経験を誰よりもしてきた。W杯には4回出場していて、それは12年間トップレベルで活躍したことを証明している。佑都ほど、高いレベルで活躍した選手はほかにはいない。日本サッカー界、日本代表が進むべき道は何なのでしょうか。ベスト16の壁を超えるために必要な道のりはどういうものかお答えください。

「ありがとうミステル。W杯も4回経験させてもらったが、日本がこのベスト16の壁を破るにはより主導権を握って攻撃的に戦えることが必要だと思っている。ドイツや、スペインの強豪相手には主導権を握られて守備的な戦いをしなくてはいけなかった。それは自分たちが主導権を握れるのに守備的に戦ったのではない。やはり強豪相手にはまだまだ主導権を握れる戦いができないのが日本の課題。守備はある程度高いレベルで戦える、その確信は得た。ただ、まだまだ攻撃的なクオリティや、個人の能力、質はまだまだ上げていかないといけない。W杯のベスト8、ベスト4、優勝を目指すという意味で考えると、まだまだ遠い道のりだと僕自身は感じている。攻撃的に主導権を握ることと、まだまだ気持ちの部分でも決勝でアルゼンチンとフランスが示したように魂のぶつかり合い、球際を学んでいかないと。本当の意味でトップレベルにはいけないと感じている」

 

 

―全てを懸けたW杯で燃え尽きてもおかしくない状態で、何が現役に踏みとどまらせたのか?

「4年間掛けてこのW杯に全てを懸けてきた。正直、W杯後の未来のことは全く考えていなかった。この1カ月向き合う中で、まず大きな刺激を受けたのは決勝のアルゼンチンとフランスの試合を見て自分自身が衝撃を受けて、すごいエネルギーをもらった。サッカーの素晴らしさや、サッカーでこれほど人々に感動を与えられるのだ、と。自分はそこの舞台に立たせてもらっている。これからも自分があきらめなければこの舞台に帰ってこられるかもしれないと。そういうフツフツと湧き上がる情熱をすごく感じた。この未来をつかむのも自分次第だな、と。そして、サッカーを続けるなら素晴らしいアルベル監督と出会って僕も成長させてもらって、最高のチームメートもいてこの大好きなFC東京でタイトルを獲得して代表で戦えるだけのコンディションをつくりたい、プレーをしたいという思いに至りました」

 

―この1カ月家族と過ごす時間も多かったと思うが、現役を続けると聞いた家族や子どもたちの反応は?

「子どもたちはまだそこまで分かってはいないと思うが、妻の愛梨は僕に現役を続けてほしかったみたいですごく喜んでくれました。まだまだ体がバリバリ動いているのをカタールW杯で間近で応援して見てくれていたので、続けてほしいと願っていたみたいです。だから、すごく喜んでくれました」

 

W杯敗退直後にJリーグを盛り上げていかなければいけないというコメントをしていたが、Jリーグを盛り上げていきたいという気持ちと、Jリーグを盛り上げることで日本サッカーをどう発展させていきたいかを教えてください。

「Jリーグの発展なくして日本代表の発展はないと思っています。それは僕自身もJリーグで育って海外に出て、また戻って来た。そして、海外でプレーしている選手たちもJリーグで成長して今活躍している。このJリーグが日本サッカーのベースにあると思う。このベースのレベルが上がらないと日本代表の発展はない。だからこそ、自分自身がこれまで培ってきた経験を還元してJリーグを発展させられるようにしたい。それが日本代表への大きな恩返しになると思っています。日本代表でも、Jリーグでも育ててきてもらって今の自分があるので、恩返しをしなければいけないし、それができると思っている。それをしないと、これからの日本代表の発展はないと思っている」

 

―シャーレを掲げたいと話したが、優勝への思いを聞かせてください。

「思いは僕の語彙(ごい)力では答えられないほどの熱い思いがある。FC東京は、カップ戦の優勝経験はありますが、Jリーグでは優勝できていない。首都東京のチームで、一番(Jリーグを)盛り上げなきゃいけないチームだと思っています。そのチームがシャーレを獲得していないのは非常に悲しいことで、僕自身もつらいことです。東京、青赤のプライドを背負って必ず今シーズン、シャーレを掲げられるように頑張りたいと思います。それに、全てはそろっていると思います。戦えるメンバー、監督、スタッフも、それを成し遂げられるメンバーがいると思っているので」

 

―いつもギラギラしている佑都ですが、今のギラギラはどのくらいですか?

「ギラギラですか? 髪の色は黒に戻したけど、ギラギラ度は変わっていない。むしろ情熱は燃えていて上がっているんじゃないか、と。髪色を戻したのは、W杯はお祭りで、お祭りはいったん終わったので、あとは終われば心機一転、また足元を見つめて今の仕事に没頭する、と。全てをささげる意味で黒に戻しました。見た目はちょっと赤と比べれば地味かもしれないけど、心は情熱的に燃えています」

 

 

―アルゼンチンとフランスとの決勝から刺激を受けての競技生活のヒントはありますか?

「やりたいことはたくさんある。自分の中で課題もたくさん見えたW杯だったので。その課題を克服するため、そして自分の長所をより伸ばすために、自分だったらやれるという確信と自信を持っているので。W杯という大会や、あの決勝が世界の基準をもう一度自分に知らしめてくれた。自分にやることは明確になった。すごく頭の中はスッキリしている。またあの戦いの場所に戻りたいという強い気持ちは持っています」

 

―その課題は何から取り組んでいきたいのか?

「ありすぎますね。これまでも自分に満足したことはない。このW杯で課題もたくさん見えて全てですね。フィジカルの部分、スキル、戦術面も含めて全てを上げないといけない。メンタルは、世界でもトップのレベルに達していると思うから(笑)。フィジカル、スキルの部分では、世界の基準を考えると、まだまだ伸ばさないといけないと思う。これも年齢で、もう長友は伸びないだろうと思われるかもしれない。自分自身があきらめた瞬間に、夢は終わる。僕はあきらめません。自分ができるとイメージできたものは今まで全て達成してきた。自分の中ではやれると思います」

 

―自信のところは今大会で確信したのか? もともと負けないというのがあったのか?

「このW杯で、自分の強さを再確認した。これまで4回経験してきたが、ここまで強い自分ではなかった。4大会を見てきても、一番成長したな、と。メンタルの部分でたくましくなったなと。自信を持って言えると思う」

 

―W杯のとりこというのは。

「皆さん、ブラボーと叫んだ目を見てもらえれば分かると思う(苦笑)。普通に人が生きていて、あそこまで興奮することはなかなかない。その興奮ができるのも、この4年に1回の尊いW杯を戦えている喜びと、誇りと、日の丸を背負えることへの重圧を感じられる。それはプロサッカー選手として名誉なことだと感じて過ごしていた。サッカー選手として、全てを感じられるW杯は4年に一度しかない。それを経験すればするほど、W杯のとりこになる。そういうことです」

 

3年半後にW杯後があるが、3年半後を見据えているのか、それとも11年の積み重ねなのか?

「両方です。もちろん全ては自分がイメージできないと、想像できないとたどり着けない。僕は想像ができている。3年半後の自分を。それだけだとダメなので、この1年1年、1日1日だと思う。この後からの練習でどれだけ高められるか。どれだけ3年半後の理想の自分に近づけられるかの勝負だと思う。その日々の勝負だと思う。自分に打ち勝って、また面白い長友を見せられたらなと思います(笑)」

 

―ブラボーのような叫びをまた聞かせてくれますか?

「それは僕自身も分からない。あれは本能で出た言葉、魂から出ているのでそれは確約できない。ただ、また面白いことになるんじゃないかと思います。興奮した長友が何をやるか想像がつかないので」

 

 

―サポーターや日本中が昨日の発表を受けて『ブラボー』という歓迎のリアクションがありました。

「まず幸せな気持ちになりました。そのブラボーと言われる数だけ僕の情熱は増している。それを感じている。沖縄に来ても監督は『ゆっくり佑都、体をつくっていけ。落ち着いてつくっていけ』と言われたが、『今でも試合がしたいです』と言いたいぐらいの気持ちです。そのぐらい高まっている。ブラボーは自分が発した言葉かもしれないけど、たくさんいただいて自分自身も勇気と、情熱をもらいました」

 

―髪はいつ染めたんですか?

「キャンプに来る前なので、2日前です。結構赤気に入っていたんですけど、そこはお祭りが終わって気持ちを引き締める。心機一転の気持ちで黒髪に戻しました」

 

―最後に『ブラボー』をもらってもいいですか? 代わりになる叫びでもいいですが?

「そうですね……。『バモストーキョー! バモスJリーグ!』。これからはJリーグを盛り上げないとね!」

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ