ディエゴオリヴェイラ離日、成田空港で数十名のファンと最後のお別れ。「日本にとても感謝している」【2024 ディエゴ引退/ほぼ無料公開】

撮影:後藤勝
12月20日、ディエゴ オリヴェイラが離日した。この日、通い慣れた小平グランドからバモバスで出発したディエゴはFC東京調布事務所に立ち寄ったあと、成田空港へ。家族親族一行のチェックインを済ませると、飯野一徳通訳を伴い、現場に集まったファンサポーターに向けて次のように感謝の気持ちを述べた。
◆また戻って来ることもあると思う
「今日はこちらまでわざわざ足を運んできてくれて本当にありがとう。あらためてになるけれど、7年間みなさんに大変お世話になって、いい時も悪い時もみなさんがついていてくれたことに、本当に感謝したい。これから私はいなくなってしまうけれど、また戻って来ることもあると思う。私自身も家族も、日本にとても感謝しているんだ。あらためて、どうもありがとうございました」
このあとディエゴは保安検査場を通過するまで、時間の許す限りファンとの交流を図った。ディエゴが最初に言葉を発した時点では20名ほど、出来る限りのふれあいを終えた時点では30名ほどだったファンの数も次第に増え、最後はさらに多くの姿が見えなくなるまで見守っていた。なかには、あと一歩のところで間に合わず、ディエゴの姿を見られなかった人も。
とある男性サポーターは次のように語っていた。
「いつもいると思っていた選手がいなくなると本当に寂しい。移籍ではなく引退というところが寂しくもあり、嬉しくもあり。あれだけディエゴコールをしていたのに、もう口に出すことがないのだと思うとジーンと来るんです。ぼくには娘がいるのですが、今日、その娘に『あれだけ唄っていたのに、もう唄わなくなるんだね』と言われてドキッとしました」
ディエゴがACLで着用した白いオーセンティックユニフォームを持参したサポーターもいた。そのユニフォームの肩には、試合でついた土の汚れが残っていた。紛れもなく、ディエゴが日の丸をつけてクラブの国際大会に出場した証。背番号9は間違いなく歴史をつくった、ブラジルからやってきた英雄だった。
スペインでラ・コルーニャを撃破した時も、ルーカスたちブラジルの選手は頼もしかった。集中開催だったカタールのACLでもディエゴは神々しかった。東京のために異国で戦うブラジルの選手たちは、いつも強かった。
ディエゴが保安検査場の奥に姿を消したあと、この見送りに関して話していると、飯野通訳の眼がどんどんうるみ、赤くなってきた。やはり寂しいですか──と声をかけると、飯野通訳は「寂しいですよ。でも……」と言い、次のように言葉をつづけた。
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