「これでいいのか、Jリーグ」【大東京書簡第二十一信/海江田(24.12.14)】

クラブ全体の忘年会も城福浩監督の発案だったとは。
■いかにクラブの隅々まで目を行き届かせているか
2024シーズンが終わった。16年ぶりのJ1を心ゆくまで堪能し、謳歌した。この1年で東京ヴェルディを取り巻く環境は激変した。
味の素スタジアムがホームとなった2001年以降、1試合平均入場者数は初の2万人超え(2万976人)。アウェーゲームの動員力も格段に増し、遠征先で街を歩く緑者を見かけるのが珍しくなくなった。
このすばらしいシーズンを、あの人とも一緒に味わえたらよかったのに。どうしたってもう会えない顔がいくつも浮かんでは消える。過去に在籍した選手もそうだ。数々の心を奪われる瞬間があり、彼らの奮闘が4、5000人の観客にしか値しないものだったとは思えない。
現在の華々しさと対比し、過去はくすんで見える。たしかに間違いだらけではあったけれども(主に経営サイド)、個人レベルでは尽力し、とうとう報われなかった人々の足跡が幾重にも残っている。
要は、いろいろひっくるめて暗黒時代と一緒くたにされることへの抵抗感だ。全部が全部、たいして価値のないものと扱われると、いや、そうじゃないんだよ、と言いたい気持ちになる。
城福浩監督はこのへんの心情を見透かしたように、投げかける言葉や表現の仕方がじつに巧みだった。クラブの歩みや土着文化を頭ごなしに否定することなく、苦しい時期を支えた3000人のサポーターが大事なのだと言い続けた。
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