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退任するピータークラモフスキー監督「私は確実に日本を離れます。ただ、これはさようならではありません」【2024 J1第38節 vs. セレッソ大阪 Report】

 

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

 ホーム最終戦セレモニーを終えたFC東京トップチームは、そのまま味の素スタジアム内で解散。今シーズンの活動を終えた。そして選手たちがミックスゾーンへと向かうまでの間、ピーター クラモフスキー監督が早めに記者会見場にやってくる。最後の記者会見に臨むためだ。ピーター監督は父性的な指揮官として笑顔を絶やさず振る舞うが、会見の最後に遠藤洋通訳は泣き出してしまった。ピーター監督の次なる職場は日本ではない。日本での章が終わり、物語は次章へ。別離が遠藤通訳の涙腺を刺激した。この日、味の素スタジアムに集まった人々は、そうした瞬間に居合わせたのだ。

◆遠いところから応援していたい

Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

 1年半前、ピーター監督は火中の栗を拾う格好で2023シーズンの後半から指揮を執った。日本以外の選択肢もあったのに、あえて東京を選んだ。短期間で出来ることは限られていて、インテンシティを高め、戦いに必要な根本の情熱を呼び覚ますところからピーター監督の挑戦はスタートした。その後、失点を減らすべく守備の練習に勤しみながらビルドアップのトレーニングも施すようになり、立て直しに終始した。2024シーズン、クラブはスタッフを増強、予算規模で上位に及ばないなかでも打てる手は打った。ピーター監督もこれに応え、若手の育成に励んで個人の成長は見られたものの、チームとしては望むような成果は得られず。終わってみれば7位と、あと少しでトップ5に入れる位置につけていたが、成長を加速させるためにと、クラブは監督交代を決断。今シーズン限りでの退任となった。

 監督としての評価は様々だろうが、人情味がある人物であったことは間違いない。セレモニーの最後に「遠くからみんなのことを応援しているから」と言ったのは、嘘ではないだろう。もう戦い方を隠さなくともよくなったからなのか、最後の記者会見でも、いつになく本音に近いトーンの言葉が紡ぎ出された。

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