「必要とされるということ」【大東京書簡第十九信/郡司(24.10.30)】
◆国立プロモーションの試行錯誤
早いもので初挑戦のJ1リーグも残り4節。FC町田ゼルビアはサンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸に次ぐ3位で逆転優勝の可能性を残しています。首位を快走していた時期から、広島や神戸の大型連勝という“スパート”によって、順位を落としていますが、つくづくチームというのは“生き物”だなと思う次第です。
チームの動向に関しては、随時マッチレビューなどを通じてお伝えしていますが、最終的な結論が出た後には、あらためてゼルビアTimesのシーズンレビューで詳報させていただきます。
そして東京にホームタウンを構えるFC東京や東京ヴェルディとの対戦は、11月9日(土)国立競技場でのFC東京戦が最後。国立初勝利を目指す町田か。国立無敗のFC東京か。そんな図式になりそうです。
ただ中島裕希選手が「下の順位のチームも迫ってきている」と話しているように、東京VもFC東京も町田を捕える射程内と言っては言い過ぎでしょうか。ヴェルディとは消化試合に違いがあるものの、勝ち点6差。FC東京とは直接対決を残して勝ち点9差。直近10試合のリーグ戦績が2勝5分3敗の町田にとっては、これ以上の足踏みは許容できない状況です。
ピッチ上の戦いも気になりますが、今回は多少ピッチ外の話も。FC東京戦は最後の国立開催であるため、今季の過去3試合とは異なる手法でのプロモーションも展開される予定です。
今季の国立開催は、エイベックスさんという日本有数のエンターテインメント企業とのパートナーシップ契約締結により、イベント開催も話題を呼びました。7月の横浜F・マリノス戦では、エイベックス所属アーティストのDa-iCEさんによるライブパフォーマンスがあったことで、Da-iCE推しのファンが国立に数多く詰め掛けたと聞きます。クラブに入った問い合わせの代表例は「どの席が一番Da-iCEを近くで堪能できるか」といったもの。良席で推しを見たい。推しが(多数)いる者としては、その気持ちは十分に理解できます。
また8月末の浦和レッズ戦では、“国民の嫁”こと、元乃木坂46の秋元真夏さんがキックインセレモニーに臨みました。同業者の“乃木ヲタ”も忙しい隙間を塗って、真夏(あえてこう呼ぶ)見たさに国立に詰め掛けましたから、集客面で一定の真夏効果はありました。
推しである真夏がパーソナリティーを務めるラジオ番組で事前の告知や後日談が話されていたことにより、何度も真夏の口から「FC町田ゼルビア」という言葉が聞かれました。それだけでも十分な周知効果はあったはずです。
個人的にクラブを知るきっかけの入口は、“何でもOK”と思っています。来る者は拒まず、受け入れる度量があるのは町田サポの流儀。推しきっかけで一人でも多くの町田ファンが増えることを願っています。
前段が長くなりましたが、国立開催に向けたプロモーションは、Jリーグの協力も仰ぎながら、ゼルビアのことを知らない方々に振り向いていただくためのトライが成されてきました。代表例は渋谷や新宿、そして個人的な出没スポットの一つである下北沢などで巨大な告知看板が登場。大きな話題を呼びました。今回のFC東京戦に向けては、新宿マルイ本館地下1階のイベントスペースにて、11月2日(土)から4日(月)までの3日間、期間限定での『FC町田ゼルビア POP UP STORE』がオープンします。
サイバーエージェントグループに入る前のクラブのプロモーションは、予算を掛けずに“アイディア勝負”が中心でしたが、CAグループの一員となった2018年10月以降は、アイディア勝負の観点も残しつつ、潤沢な予算をバックにしたプロモーションも展開されてきました。隔世の感があるなぁと思いながらも、クラブの積極的なトライが実を結んでほしいと思う次第です。
ちなみにサガン鳥栖戦翌日の11月4日には、荒木駿太選手と安井拓也選手がサイン会&写真撮影会に登場します。選手と身近に触れられる機会をお楽しみください(https://www.zelvia.co.jp/news/news-280609/)。
◆チームを離れた選手たちが教えてくれること
話は変わりますが、初挑戦のJ1で戸惑いを覚えていることの一つと言えば、インターナショナルマッチウィーク(IW)による中断期間があること。後藤さんは慣れたものかもしれませんが、16年ぶりに体感している海江田さんはきっと困っていたのではないでしょうか。特にこの9月から11月は毎月IWがあったため、ルヴァンカップ敗退以降は、中断期間の活用法を試行錯誤してきました。
今季の中断期間には隙を見て個人的なブレイクタイムを作りつつ、J2の試合会場へ足を運ぶことも。今夏は海外移籍の平河悠選手を含めれば、10人を超える選手たちが期限付き移籍などで別のクラブにプレーの場を移したため、“レンタル組”の動向を可能な範囲で追ってきました。
(残り 1311文字/全文: 3630文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ