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帝京大学とFC東京がパートナーシップを締結【2024 News/無料公開】

 

調印式の様子。撮影:後藤勝

 9月14日、学校法人帝京大学とFC東京(東京フットボールクラブ株式会社)はスポーツ医科学分野でのパートナーシップを締結、国立競技場で調印式をおこなった。これまでにも2023年6月から様々な取り組みをおこなってきたが、今後はメディカル、フィジカルの分野でより密接な関係を構築することになる。

 FC東京には選手に関してけがの予防やフィジカルの強化、帝京大学には研究データの蓄積というメリットがあり、記者会見に臨んだ冲永佳史帝京大学理事長・学長は「選手のコンディショニングなどに深く関わることが出来るようになる。またトップアスリートがどういう身体活動をしているかをつぶさに観察することによって、本学の医科学研究に於いて見えてくることが多々ある。今後の我々の活動に注目していただければありがたい」と語った。

 帝京大学スポーツ医科学センターが導入した「MPI(Movement Performance Institute)」を活用することで、帝京大学からは、3次元動作解析に基づく選手のけがの防止、けがからの復帰に際して正しい身体動作をおこなうためのメソッドが提供される。既に現場では具体的な取り組みが始まっており、FC東京の早川直樹フィジカルコーチは「フィジカル、メディカルの両面で連携し、フィジカル面ではコンディショニングのチェックやフィジカルテスト、メディカル面では検査や診察、治療など幅広いサポートをいただいている」と言う。スポーツ医科学クリニックや帝京大学医学部附属病院での治療が可能である点は心強いところだ。

 長友佑都に次ぐ年長選手である森重真人は帝京大学の設備によって「回復がすごく早くなった」と、協力体制を歓迎。また小柏剛は「どういったところに重点を置いてトレーニングするかが明確になった」と、けがの原因究明や予防の点で助かっていることを明らかにした。

 FC東京の小原光城GMが「試合数が昨年までとは異なるのでけがそのものは増えている。一概に比較は出来ないが、選手が受傷してからの復帰期間は間違いなく縮まっている。ある選手が肉離れギリギリの受傷をした時、高気圧酸素治療で肉離れにならずに復帰したケースもあり、早期回復やコンディショニングに関して寄与しているという実感がある」と実感語れば、帝京大学の中川匠センター長も「日本トップクラスの選手のデータを採り、蓄積することで、どういう動作がけがにつながるか、どうすればパフォーマンスが向上するかということに関して新しい知見が出てくる可能性がある。それが還元出来れば将来の日本のサッカーレベルが上がることが期待出来る」と、喜んだ。

 けがに苦しむ選手が多い東京が、ここからどう変わっていくのか。パートナーシップの効果に期待したいところだ。

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