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「西堂!西谷!東京から岐阜へ」【大東京書簡第十四信/後藤(24.8.9)】

 

8月8日に鹿児島ユナイテッドFCからFC岐阜へと期限付き移籍先の変更が発表された西堂久俊(写真中央)、さっそく岐阜の練習に合流。


◆東京から岐阜へ
 
 FC東京U-18から筑波大学経由で生地慶充が加入していたFC岐阜に、今年に入ってから青木拓矢、岡崎慎、そして西堂久俊が加入。さすがに青赤の色が濃くなってきて、FC東京のファンも「東京から岐阜に行く選手が増えてきたな」と、騒ぎ始めている。
 
 もとを辿れば選手層が厚くて出場機会を得られない選手が多く発生しがち、かつ、人数そのものが余剰気味で常に一定数の期限付き移籍先を探す必要があるという、東京側の事情があるんですけど。どうも熊田直紀もいわきFCへの期限付き移籍を果たすみたいですけど、J2やJ3のクラブにとっては東京ブランドの選手を獲得出来るんで、願ったりかなったりなんですよね。この夏の岐阜は極端ですが、まあ、こういうこともありうるかな、と。
 
『ぎふマガ!』にも記事を書くのでここでは詳しいことは言わないですけど、どうも鹿児島では監督が交代してから出場機会がなくなったようで、左利きの右ウイングを求める岐阜としてはちょうどよかったみたいですね。岐阜はクラブとして、各ポジションに常時複数人、同レベル同質の選手を揃えてその都度もっとも状態のいい選手をピックアップする方針のようで、この夏の補強も、大物を獲ってきて主軸に据えるというよりは、競争に加わる選手を増やすような傾向。競争の質を高めるという感じですね。生地は左サイドバック、岡崎はセンターバック、青木はボランチ、西堂は右サイドハーフで、ほかの選手に刺激を与えつつ、可能であれば試合に出てもらえると、東京を取材している身としては嬉しいかな、と。
 
 そういう意味で忘れてはいけないのは、東京ヴェルディから期限付き移籍で加入中の西谷亮。ボランチで庄司悦大、青木拓矢、北龍磨、萩野滉大、生地らと競うなかで度々出場機会を得てきたわけなんですけど、ここのところトップ下的な2トップとしてポジションを獲得、周囲の信頼も高まってきているんですよね。半年かかっちゃったけど、成長したしチーム内での序列も上がったしと、武者修行としては上々の成果なんじゃないでしょうか。チームの役にも立っていますしね。
 
 8日も彼を取材したんですけど、まあ本当にいい子でね。いい子って言っちゃ失礼かもしれないんですが、実際に話すと「あ~このひといいな」っていう気持ちになることがあるじゃないですか。FC東京だけじゃなくて東京ヴェルディからもいい選手が来て、まさに東京から岐阜へ……の流れが出来ているという。まあ、テゲバジャーロ宮崎にも、楠大樹とか阿野真拓といった緑戦士がいるところに安田虎士朗という青赤戦士が追加投入されたので、珍しいことではないんですけどね。こういう呉越同舟はおもしろいですよね。前回の郡司さんへのアンサーで言えば、虎士朗とはもっと話をしておいたほうがよかったな~という一抹の寂しさはあったけど、まあそれよりも頑張ってこいよという気持ちですかね。それはカターレ富山に行った荒井悠汰もそう。
 
 それにしても東京が西堂、ヴェルディが西谷を供出しているんだから、FC町田ゼルビアも西の字を含む姓つながりで西村泰彦分析コーチ兼ヘッドアナリストを供出してくれないかな。それは冗談としても、宇野禅斗も清水エスパルスに行くような状況ですもんね。奥山政幸、もし出番が少ないならいかがでしょうか……。
 
◆パリ五輪のあとで、J
 
 呉越同舟というと、パリ五輪に臨んだU-23日本代表は最たるものでしたね。荒木遼太郎もいる、山田楓喜もいる、藤尾翔太もいる、のオールスター状態。こんな選手が揃ったチームがあったらいいな~強いだろうなって、そりゃ代表だから当たり前ではあるんですが、まあいいチームでした。
 

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