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小原光城ゼネラルマネージャー「方向性は新しい監督になっても変わらない」。アルベル監督退任後もボールを大切にする攻撃的なスタイルを構築していく【監督交代第2報/無料公開】

 

取材に応じる小原光城ゼネラルマネージャー。撮影:後藤勝


 6月14日の練習終了後、小原光城ゼネラルマネージャーが取材に対応した。
 アルベル監督に交代を告げたのは前日の13日。J1第17節ガンバ大阪戦のあとにクラブ内で議論し、今回の人事を決定。後任の監督については複数候補から該当者を絞っていき、交渉を始めている段階だという。シーズン後半戦の開始に間に合うよう、出来るだけ早いタイミングで決めたい意向だが、ベターな選択肢を模索し「慎重にやりながら急いでいる」とのことだ。
 
 ポゼッションのデータを採ると、第17節までにハイプレスショートカウンターに関しては成功のデータが出ていて積み上が証明されたが、同時にボールを保持出来ておらず、ボール保持からゴールに向かう組み立てがうまくいっていないことが明らかになっていた。後任には現状を踏まえること、勝利を掴むこと、スタイルの構築をさらに進めていくこと、この3つを求めていくという。
 
 ボールを保持しながらゴール前に進入する回数が不足しているのかと訊ねると、小原GMは頷いた。
 
「そうですね。下からビルドアップしていく構築も、もう少ししっかり整理が必要だし、同時に当然ながら敵陣に押し込んで敵陣でのポゼッション率を上げたいということを考えると、30m進入、ペナルティエリア進入のデータはぼくらが思っていたより低い。そこのところはしっかり上げていこうと。そのうえでボールを失ったあとのトランジションも含めてやっていかないといけない、そこがスタイルだと思います」
 
 監督に任せる部分もあると思うが、クラブとして手綱を握り、ボールを大切にするサッカーという方向はブレさせず、しっかり管理していくなかでの監督交代というニュアンスか──と問いを重ねると小原GMはこう答えた。
 
「はい、もちろんです。アルベル監督とも常にディスカッションをしながら、確認をしながらずっとやってきましたし、その方向性は新しい監督になっても変わらない」
 クラブがめざしているのは「ボールを大事にしてアグレッシヴに行く、攻撃的なスタイル」。これを変えるつもりはまったくない。
 
 けが人が出ていることもあり夏の補強は不可避だが、少なくとも今シーズンに関しては、チームの成長は既存の選手の成長を抜きにしてはありえない。強化部としては現在在籍している選手にはボール保持の能力はあり、能力を引き出せていないという認識。今後もトレーニングでそこを伸ばしていくつもりだ。
 
「出来ると思っています。限られた予算や契約の問題などいろいろなことを考えるとその(編成をする)時点では難しいですが、そのなかでも限られた戦力を補強しつつ現状の選手たちがトレーニングをしてアジャストしていけば、十分、一定のところまでは、上位をめざすレベルまではいけると思います。
 2022シーズンに6位に入り、ボール保持率を前年比で8パーセント上げたというところもそうですし、そこにウチのタテへの速さをどう融合させていくかが大事なところだと思います。
(シーズン後半は練習で既存の選手の能力を向上させることが目標?)そこは常に目標なんですけれども、日頃のトレーニングの構築、やり方を向上していけると思っていますしそのなかで選手たちももっともっと成長出来るし、このスタイルも深くしていけると思います。そこは念頭にあります」
 
 成長を加速させ、よりパワーアップするための監督交代。早期の後任監督招聘に注力しながら、まずは安間貴義ヘッドコーチの指揮でルヴァンカップEグループ最終節京都サンガF.C.戦に向けて再起動したFC東京トップチーム。監督交代を劇薬として、小平での練習を活性化させ、シーズン後半戦につなげていくかまえだ。
 

練習終了後、ゴールを片付ける安間貴義ヘッドコーチ。撮影:後藤勝


グラウンドには川岸滋也代表取締役社長の姿も。撮影:後藤勝


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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

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