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体力の問題ではないということはないと思いますが、それだけではないことは認めましょう【2023 J1第15節 神戸vs.FC東京 本音Column】

 

後半に惜しいシュートがあったエンリケ トレヴィザン。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 それでは、試合レポートのあとに書く本音コラムをさっそく始めていきたいと思います。
 
 J1第15節ヴィッセル神戸対FC東京の終了後、アルベル監督の記者会見は「監督による総括」「私(後藤)からの質問ひとつ」「後続の質問がないことを確かめて監督が自ら話し始めたイニエスタを讃えるコメント」の三段階からなっていました。その質疑のところを、まずはほぼベタ起こしで載せていきます。以下、その箇所です。
 
──前半、仰るようにミスもあったが、東京の選手が倒れる場面も目についた。強度で負けたのかと思うが、そのように前半がうまくいかなかった原因はコンディショニングなのか、なんなのか?
 
 まさしく、いま指摘されたとおりの部分だったと思います。1対1の局面に於ける戦う姿勢、その強度が前半は足りなかったと思います。毎試合、我々は勝利を収めるために90分戦う姿勢を表現しつづけなければいけないと思います。それが出来るようになるために、いま我々は改善に努力を重ねています。FC東京のいままでの歴史をご存知の方はこのクラブがなかなか安定したかたちでいい結果を出しつづけることが出来ていないことをご存知かと思います。
 我々がめざしているプレースタイルはとても難度が高いものであり、そしてそのスタイルに適応するのに苦しんでいる選手がいるというのもまた事実だと思います。そこは私も理解していますし、認めています。そこは明確です。
 そのスタイルを変更していくプロセスでは当然ミスは起こるものだと思います。そのミスをうまくカバーするためには戦う姿勢、強い個性が必要だと思います。
 
 このクラブに、私はその部分でも明確な改善した姿を残したいと思っています。今シーズン、私は勝利にこだわるメンタリティ、それをこのチームにしっかり落とし込むことに、私は戦いつづけています。
 今日の後半のような戦う姿勢、あれこそは我々が常に毎試合90分間表現しつづけなければいけない戦う姿勢だと思います。後半のほうが選手たちも必死に戦い、勝利をめざして走っていました。前半よりも後半のほうが走っていたと思います。それは体力の問題ではなくメンタルの問題だと。勝利にこだわるメンタリティ、そしてプレーテンポの速さが、いま我々が求めているところです。
 

あらためてメンタルの問題を強調したアルベル監督。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 質疑は以上です。「前半よりも後半のほうが走っていたのは体力の問題ではない」というのは“体力”という言葉を使うならそのとおりかもしれませんが、私(後藤)は、私が質問に含ませていた“コンディショニング”の影響はあったと思います。要は前半に“動ける”状態だったかどうか。体力のあるなしではなく、試合開始時刻に至るまでのコンディションの調整が必ずしも万全ではなく一定の影響はあったのではないか。ですから、出来ればアルベル監督にはそこを認めたうえでほかの問題点を指摘してほしかったのですが、もちろん人の自由な意思を妨げることは出来ませんので、これはこれとしてひとまず受け止めておきます。
 なにより、選手たちの間では「フィジカルコンディションについては言い訳にするべきではない」というコンセンサスがとれているようですし、第三者としてコンディションが良好ではなかったことを指摘こそすれ、それを必要以上には取り上げないことにしておきます。当事者が言うとただの言い訳と捉えられてしまう可能性もあるので、第三者として、内容がよくなかった一因ではあるだろうと、ひとこと言っておくということですね。そして体力の問題ではない、という箇所を除けば、概ねアルベル監督は間違ったことは言っていないのではないかとも思います。
 

やはりものがちがうという印象の大迫勇也。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


東京に対して手を抜くことがなかった武藤嘉紀。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


◆出来ることから
 

自分たちの弱さに言及した森重真人。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 このほか、神戸戦を考えるうえで参照するべき材料は、神戸戦後の東慶悟、青木拓矢、森重真人、小平に帰ってきてからの仲川輝人のコメントになるかと思います。東、青木、仲川については別の記事で詳細に記していますので、ここでは加えて森重のコメントを掲載します。以下、その箇所です。
 

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