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鈴木準弥、練習試合“ウラシコ”でゴールの起点に。「トクがああやって行ったからには自分も行かなきゃ。自分らしく、今日を第一歩としてやっていきたい」【2023 J1第13節 FC東京vs.川崎/多摩川クラシコSP02】

 

©F.C.TOKYO


 5月13日、FC東京は小平グランドで川崎フロンターレと45分×2本の練習試合をおこない、1-2のスコアで敗れた。前日の試合に先発または長時間出場した選手は完全オフの“裏”多摩川クラシコ、いうなればウラシコ。練習試合とあってリスクを怖れず積極的にボールを保持して攻撃を仕掛けていく姿勢が目立ち、自分たちのスタイルを追求していくテストのゲームとしては、全体としては悪くない内容だったが、前からの圧力をかけられなくなってきた後半19分から22分の4分間にゴールを割られて2失点。しかし後半30分、野澤零温、東廉太、荒井悠汰が入ると流れが変わる。攻勢を強めた東京はその2分後、さっそく右サイドバックの鈴木準弥から野澤にいいクロスが通り期待感を高めると、42分には鈴木のフリーキックを木村誠二が頭で落とし、それを荒井が右足で豪快に決めて1点を返した。敗れはしたものの、好感触を持てるゲームだった。なお土肥幹太もインサイドハーフとして途中出場を果たしている。
 
 ちなみに、この試合では家本政明さんが急遽主審を担当。基準をわかりやすく示す声がけを含め、倒れたからと言ってあまり簡単には笛を吹かず、しかし傷めた選手はしっかりといたわり、フラストレーションがたまらないようなおおらかな空気をつくる名ジャッジで試合をうまくコントロールしていた。足もとをパスが通るようにひらりとジャンプして股抜きを成立させたり、観客席に向けて「音はしたけどどうでした? ファウルでした?」と訊いて笑わせるなど見せ場も多く、スパイクではなくランニングシューズを履いての90分間で、雨降る午後の時間を楽しいひとときに変貌させていた。
 
◆鈴木「今日の試合に関しては、オレは怖がらずに前につけていこうかなって」
 

撮影:後藤勝


 90分間のフル出場を果たした鈴木準弥は、シャワーを浴びたのち取材を待つ間「疲れた……」と一言。無理もない。国立競技場で徳元悠平の快挙を誰よりも喜んだ翌日、早い時間から準備をして、徳元同様のフル回転。前後左右のチームメイトと連動したプレーで組織を機能させ、砲台としていいボールを供給し、先発でやり尽くした感があった。
 
 野澤零温が入ってきてさっそくクロスが通ったシーンを指し、ふたりは相当仲がいいのでは──と水を向けると、鈴木は「そんなことないす。あいつの髪の毛が見やすいだけです」と笑いながら、ふたりの意識の高さと連携のよさについて触れた。
 

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