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ノイズというには大きすぎるピッチ外の軋轢と、それとは別に賽の河原化するピッチ内のダブルパンチ【2023 J1第12節 札幌vs.FC東京 本音Column】

 

どうするアルベル監督。 Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 ベルギーで大活躍中の渡辺剛選手を取材させていただけたのは大変ありがたいことでした。海外挑戦が珍しかった頃の新鮮な空気を久しぶりに吸ったような気持ちになり、いい刺激になりました。一方で石川直宏FC東京クラブコミュニケーターがTwitterをやめたり、弊サイトでは村林裕東京23FCクラブオフィサーのメッセージを載せる事態となったり、ほかにもいろいろありまして、トータルではなかなか、なかなか胃が痛い状況です。大昔であれば、植田朝日氏がうまいこといろいろなものを吸収していたのだと思いますが、いまやそういう要石もなく、石川CCももっともストレスフルな舞台からは去り、本来それだけの器でも柄でもないこちらに仕事の一端が回ってくるということで……かなりぼやかしていますが、まあ混迷していますね。
 
 諸問題の背景を調べたり、情報を収集したりしていて、個々には、あれの事実関係はちょっとだけちがう可能性があるとか、あれはあれが原因かとか、言えないこともありますが、引いた視点で見ると、クラブとファンとの間でコミュニケーションが少し難しくなっているということが問題の根底にあるのかもしれない、とは言えると思っています。あれがよかったかどうかは別として、前述の植田氏と村林氏の関係に替わるものを構築しきれないままクラブがMIXIの子会社となり、CCに、まさにコミュニケーションを頼ってみたところうまくいかなかった。これに関してはフロントに責任があるのでしょうけれども、ファンもファンでよくないなと感じるところも正直あります。ただそれもチームの状態がよくないからということも影響しているでしょうし、難しい……しかもこの勢いが「ピッチ内の不満+ピッチ外の不満」ではなく「ピッチ内の不満×ピッチ外の不満」の乗算になっているようで、まあ怒りの声が止まらない。
 

サポーターは戦っていた。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)


 一度、クラブとファンとでどう付き合っていけばいいのか、落ち着いて考えましょうよ──と言いたいところですけれども、ファンからすると試合の度に、あるいはクラブが何かを発表する度にまた怒りが増幅するのでしょうし、そう簡単ではないですね。
 
 文字数が増えるばかりとなる、ノイズというには大きすぎるピッチ外の軋轢についての話はこのくらいにして、それとは同時進行で苦難の路がつづくトップチームについて、試合レポートのあとに書くコラムを始めさせていただきます。
 
◆守備を定めよう
 

中村帆高の不在が痛い。いまいる選手たちに期待。Photo by HIROTO TANIYAMA(撮影:谷山央人)

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