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東京都と東京フットボールクラブ株式会社が包括連携協定を締結。「FC東京=東京」に向け一歩前進【締結式レポート第1報/無料公開/森重真人一問一答】

 

署名する小池知事と川岸社長。撮影:後藤勝


 東京都は民間企業が持つ経営資源を活用、地域社会の発展と都民サービスのさらなる向上を図るためこれまで12の企業と「包括連携協定(ワイドコラボ協定)」を締結、複数の政策分野にまたがる横断的な連携協力を進めているが、この度東京都と東京フットボールクラブ株式会社との間で同協定が結ばれることとなり、3月27日、東京都庁で締結式がおこなわれ、小池百合子東京都知事、川岸滋也東京フットボールクラブ株式会社代表取締役社長、森重真人FC東京2023シーズンキャプテンが出席。小池知事と川岸社長が協定書に署名した。
 東京都がプロスポーツクラブとこの協定を結ぶのはFC東京が初めて。永きに渡り地域密着型Jリーグクラブをめざし、社会活動と東京都への協力を重ねてきたことが評価された。
 
 昨年末、長友佑都がワールドカップの報告に訪れた際に寄贈したユニフォームについて小池知事は「応接室に飾らせていただいています」と述べ、挨拶した。
「社会の構造、そして人々の価値観はいま大きく変化しています。そして都民目線に立った政策の展開が欠かせないわけで、その意味でも多彩な地域社会の担い手との連携が不可欠となっています」(小池知事)
 連携協力の対象は文化及びスポーツ振興に始まり、高齢者支援や防災・減災の普及啓発など8項目に渡る。恒常的に連携していこう、その上で多岐に渡る取り組みをしていこうとするとするこの協定を結んだことは、FC東京を「FC東京=東京」に近づける大きな一歩と言える。
 

ユニフォームを持ち記念撮影。撮影:後藤勝


 川岸社長は「東京は日本をリードする世界に冠たる都市であり、私たちFC東京にとってのホームタウン。今回ワイドコラボ協定を締結させていただいたことをとても嬉しく思っています」と、歓迎。地域密着を謳うJリーグの理念のもと、都民のためのクラブをめざし25周年を迎えたFC東京。昨年は20項目の分野で東京都と連携して社会課題の克服に取り組んできたが、川岸社長は「幅広い分野でさらに取り組みを進化させられる」と、意気込み、つづけて「ワールドカップ、先日おこなわれたWBCを含めてスポーツの持つ力は大きい。FC東京としてもスポーツの力をもって都民の生活に潤いをもたらしたいと思っていますし、それが私たちの使命だと思います」と強い覚悟を述べた。
 
 また森重キャプテンは「ぼくたち選手も実際に小学校を訪れて子どもたちとサッカーをしたり、スポーツを通して学んだことを子どもたちに伝えたりということをおこなってきました。その活動を今回このようなかたちで認めていただき、締結につながったということを大変嬉しく思っています」と、やはり東京都にこれまでの積み重ねを評価されたことを喜んだ。
 FC東京のユニフォームを寄贈された小池知事は上機嫌で、記念写真を撮り終えると川岸社長と森重キャプテンに向かい「飾ってある長友選手のユニフォームを見に行きませんか」と誘い、応接室へ。異例の“流れ解散”となった締結式が、東京都とFC東京の距離の近さを物語っていた。
 

流れ解散。撮影:後藤勝


ユニフォームが執務室に。©F.C.TOKYO


◆森重真人と一問一答
 
──おつかれさまです。
 
 おつかれさまです。どっと疲れが(笑)。
 
──「FC東京=東京」ではないということがクラブとして最大の課題だったが、一歩前進なのでは。
 
 そうですね。ここ数年、都心にも力を入れているということを感じますし、ALTA VISIONだったり京王線だったりいろいろなことにチャレンジしているので、そういった活動をもっともっとやっていくために、今回こういう協定を結べたということはFC東京にとってもすごく大きな一歩だったのではないかな、と。
 

撮影:後藤勝


──チームの選手もそのプロクラブの一員であるという自覚にも選手ごとに温度差があると思うが、社会に関わる責任感はいっそう強まったか。
 
 歴史を知っているからこそクラブの、チームの変化はより肌で感じていますし、母体が変わったことによって何が変わっているのかというのも肌で感じてきています。それは確実にいい方向に進んでいるので、あとは選手がそこにどれだけ参加出来るかに期待したいと思います。
 
──WBCで言えばダルビッシュ有選手が選手の範囲を超えて代表チームに尽くしているが、プロスポーツ選手にとって人間力が重要な時代になり、森重選手もその域に近いのでは。
 
 近づいているかはわからないですけど、そういう目で見られているということですし、サッカーをしていればいいという時代でもなくなりました。そういった意味では外への発信やこういった(社会と関わる)活動にも力を入れていかないといけないと思います。
 
──ところでルヴァンカップ京都戦でアルベル監督が言う「休ませたい選手がいる」というのは森重選手のことかと予想していたので、先発フル出場には驚かされた。
 
 まだまだ年齢とか関係なくサッカー出来ますし、自分としてはプレーが出来ていることは幸せに思っているので。まだまだ出来ます。
 

©F.C.TOKYO


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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
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