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アルベル監督が「武器として持っておきたい」という攻撃はやはり京都に対しても有効。考えすぎず得意技を繰り出せ【2023 J1第3節 京都vs.FC東京 Preview/監督コメントまで無料】

 

森重真人。撮影:後藤勝


 3月4日、FC東京はサンガスタジアム by KYOCERAでJ1第3節に臨み、京都サンガF.C.と対戦する。アルベル監督が「仲川は明日の試合には間に合う予定です」と言うように、仲川輝人がチームに合流。森重真人も先発か途中出場かはわからないがメンバー入りが濃厚で、長友佑都も先発の可能性が高くなるなど、前向きな変化がある。ここに来て安部柊斗のほかにも出場が危ぶまれる選手も出てくるなど苦しい台所事情は相変わらずだが、復帰組とのバランスで相殺と考えてもよい状況ではある。
 
 なんとかそれなりのスカッドを組めるとなれば、問題は純粋に戦術面。ここではアルベル監督のコメントを無料で掲載したのち、京都戦がどういう試合になるかを展望していく。
 
◆アルベル監督の一問一答(後藤が質問した範囲のみ)
 

アルベル監督。撮影:後藤勝


──キャンプ中は主力にそれほどけが人は多くなかったが、公式戦があるから仕方ないとはいえ開幕後は負傷離脱者が多い。このことをどう考えているか。
 
 けがをしていないですけど、(松木)玖生も不在ですよね。安部柊斗はけがをしていますけれども。それ以外の選手は違和感や打撲で短期間で戦線に復帰出来るような、小さなけがなのでそこは心配していません。
 
 (中村)帆高はこの間の退場で今週末の試合に出場出来ないということがありますけれども、シーズンは長いので、やはりけが人や出場停止の選手が出てきて、それによってほかの選手にチャンスが回ってくるのは通常の流れだと思います。
 いま、けが人を抱えていないチームもいるのかもしれません。そういうチームでさえもいずれはけが人を抱えることになるでしょう。
 
 監督である私の仕事のひとつは、このようなかたちで選手がけがだったり、もしくは出場停止で不在となったときに、どのようなチームマネジメントをしてチームとしてのパフォーマンスを高く維持するかというそこだと思います。
 
──第2節柏レイソル戦の前も「ボールを保持する攻撃に加えて相手の背後を衝く攻撃も武器として持っていたい」と言っていたが、まさにそこが京都に対して有効になってくるのでは?
 
 前にもお伝えしたとおり、FC東京にはボールを大切にしつつ持っているすべての武器をうまく使いながら攻撃したいという意図があります。
 
 みなさんを批判しているわけではないのですが、日本でも海外でも同じですけれども、試合に勝ったときにはそのチームの戦術はすばらしく、負けたチームの戦術は最悪であるという評価になるのが常だと思います。
 
 レイソルの明確な枠内シュートは1~2本でした。そしてクロスバー に当たったシュートはオフサイドでした。我々はあの試合で明確なチャンスを9回つくっています。そして前半、向かい風の難しい状況にありながらも、しっかりとそれにうまく適応して長いボールを背後に送るプレーを活かし、チャンスをつくっていました。
 
 もしこの間の試合に我々が勝っていたとしたら、あの長いボールで背後を衝く攻撃に対して「すばらしい背後をつく攻撃だった」というタイトルが紙面を飾るでしょう。
 
 私が何が言いたいかというと、常に試合結果が評価に大きな影響を与えるということです。たとえば、相手チームにたくさん、死ぬほどチャンスをつくられてヘロヘロになっているチームが1回、2回のチャンスを決めて試合に勝ったとします。その場合にも「守備を固めて難しい試合を手に入れた」と書かれ、そのように勝ったチームが評価されるということが常だと思います。
 
 試合の展開は、試合前には誰にもわからないものです。そういう意味でも試合が始まってから選手一人ひとりが試合の流れをうまく認知し、理解し、そして都度都度、相手チームが嫌がるプレーは何かを判断してほしいと思っています。
 
 たとえば京都さんがマンマーク気味に前からプレスをかけてくるのであれば我々の前線には1対1の状況、数的同位が生まれていることでしょう。それに対して長いボールを使って背後を衝くというのはやはり効果的なオプションだと思います。
 
 いつも言っているとおり、私はこのチームがボールを支配しながら試合の主役としてプレーしてほしいと願っています。そのためには試合の流れ、相手チームの状況を踏まえたうえで適切な判断をして攻撃し、プレーすることが重要になります。
 
 それは決して相手チームに左右されて我々にプレーが決まるということではありません。
 試合結果によって戦術の、監督の評価が変わるのはどの世界でも同じですよね。ここでも、どこでもそうです。勝ったら神のように讃えられ、負けたら地獄に落ちろと言われます。PKを決めたら「すばらしい」と拍手をされ、PKを外して負けたらその選手は「最悪だ」と言われてしまう。
すみません、愚痴になりました。
 
◆京都の過去2戦を観るかぎり……
 

ポジションはどこになるのか? 塚川孝輝。撮影:後藤勝

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