青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

中村帆高とバングーナガンデ佳史扶、変わろうとする意思。サイドバックの成長で力強さを増す東京スタイル【リード文からコメント部分まで無料公開】

 

撮影:後藤勝


 既にお伝えしているように、今年はFC東京のサイドバックが明らかにプレーを変えたとわかるところがある。ベースにはチームとして変えていきたいポイントがあり、これは長友佑都も徳元悠平も鈴木準弥も中村帆高もバングーナガンデ佳史扶も揃って踏襲しているはずだ。もちろん、加えて個々に問題だと感じている部分を向上させていこうとした結果の変化もある。
 
 一次キャンプ、FC琉球との練習試合のあとにはふたりのサイドバックが囲み取材に応じた。そこから私(後藤)自ら質問した箇所の一問一答を無料で記載したあと、サイドバックが関係する領域についての考察をお届けする。
 
◆一問一答
 

撮影:後藤勝


○中村帆高
 
──逆サイドの○○(選手名1)から長いボールが来て追いつけそうにないほどのタイミングだったが全速力で受けに行った。どういう心境だったのか。
 
 ああやってサイドでつくったときは必ず大外が空いてくるので、誰かがとりに行かないといけないところ。実際、今日はオレからの大外の○○(逆サイドの選手名2)とか、自分が守備側だとしてもあそこはなかなか対応出来ない部分があって、目線をズラされて折り返されたりすると、けっこうボールウオッチャーになってしまったりして。折り返しさえしたら、もう本当に押し込むだけみたいな状況に出来るんですよ。だからあそこは、今日はオレがカットインしたら○○(選手名2)は見ていたし、○○(選手名1)とか○○(選手名2)がいい状態で持っていたときは、あそこは、ぼくは狙っているところなので。
 
 でもプラス、出るということはリスクもあるということ。たとえば引っかかっちゃったりしたらカウンターのリスクもあるし、そこは、そのリスクを見極めながら行くときはちゃんと行ききって。今日はちょっと流れちゃったんですけど、そこでドンピシャでボールが来れば、確実に、いいところに折り返してあとは中が決めるだけという状況をつくれると思うので、そこは引きつづきやっていきたいと思います。(最終的にポケットを狙うにしてもそこにたどり着くまでに運ぶ段階についてはどう考えているのか?)ポケットは、ただそこをとろうという共通認識だけでは、そんなに簡単にとれる場所ではないですね。やっぱり立ち位置とかそこまでの過程があって相手の目線がズレてくるわけであって、まずはちゃんと立ち位置をとってやらないと、という考えでやっています。
 
○バングーナガンデ佳史扶
 
──前後左右、中、外全部を使ってほかの選手と絡もうとしている。以前は単独で大外のプレーが多かったと思うが、想定通りに変身出来ている?
 
 そうですね。
 課題はたくさんあるんですけど、そういう(プレーの)幅を増やすというところでは、いろいろ周りの選手とチャレンジは出来ているかなと思います。
 
──全員が考えて位置取りをして出入りをしてボールを支配する、そこに絡んでいかないといけない。コンビネーションの一部にサイドバックが入ってこれているなという感触はあるか。
 
 サイドバックが主導して周りと崩すコンビネーションのところは重要だと思います。去年はウイングの(渡邊)凌磨くんに動かしてもらって自分が上がっていくことが多かったんですけど、そこをサイドバックが自発的に動いて、合わせて周りが動いてコンビネーションをとったほうが崩しやすいですし、現にいまもそれでいいコンビネーションがとれているので、サイドバックから動き出していくというのは重要だなと思います。
 
──そういうプレーもありながら森重選手のスルーパスに反応したように、槍になって出ていくプレーも欲しい。バランスをとるのは難しいと思うが、どういう意識か。
 
 バランスをとるのはすごく難しいですけど、“ここ”っていうときに動き出せば森重さんはいつでも見ていてくれる。自分は難しく考えることなく飛び出していけるので、森重さんに感謝です。
 
◆まず変わろうとする意識
 

撮影:後藤勝

(残り 2080文字/全文: 3989文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ