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長友佑都の記者会見一問一答の抜粋/1月13日「あの天才と言われるメッシでさえも……」日本に、FC東京に足りないもの【無料公開】

 

撮影:後藤勝


 1月13日、長友佑都が国頭で契約更新後初となる記者会見に臨んだ。
 12日にFC東京との契約更新を発表し、この日の午前が初の練習。13時からは現地に設けられた会場で記者会見に登壇した。ここでは現地映像メディアのほか、東京番の記者も複数名参加した会見の様子を抜粋して無料公開でお届けする。
 
◆代表質問
 

撮影:後藤勝


──契約更新のコメントでは「自分の人生を今後どうしていくかじっくり考えました」とあるが、契約更新に至るまでどう考えてきたのか。
 
 ワールドカップが終わってからは心身ともにしっかり休みたいと思い、年が明けてからもサッカーのことは考えずゆっくり休んでいました。ただ、その1カ月のなかで自分と向き合うことで、今後自分はどういう道を進んでいくのかというところを考えましたが、やはりサッカーに対する大きなこの偉大なる情熱を感じたこと、それが、その気持ちが固まるにつれて、やはりFC東京でタイトルを獲りたい、シャーレを掲げたいという強い気持ちが芽生えてきました。FC東京と話し合ったのは年が明けてからですね。FC東京側も自分のことを必要としてくれたので、この契約をとれたと思います。
 
──合流して初の練習の感想は。また、そこに来ていた野々村芳和チェアマンとどんなことを話したのか。
 
 まず自分のホームに帰ってくることが出来たという安心感が芽生えましたし、また、いっしょに戦ってきたチームメイト、アルベル監督、スタッフのみなさんの笑顔を見て、自分自身もよりいっそうこのチームの力になりたいという気持ちになりました。
 
 そして野々村チェアマンとはやはり今後Jリーグをどのように盛り上げていくのか、というところを話しました。
 
──沖縄でのキャンプについては環境面を含めてどのような感想を持っているか。
 
 毎年オフの期間にも来ているぐらい沖縄は自分が大好きな場所で、リラックス出来ますし、時間がゆったりと流れていてすばらしい環境だと思います。そういう環境でスタート出来るということは自分にとっても非常に幸せなことですし、この地ですばらしいエネルギーをもらってチームに還元したいと思います。
 
──沖縄県出身で同じポジションの徳元選手の印象は。
 
 まだプレーを見たことがないのでわからないですけど、ただ左利きでクオリティが高いということは聞いているので、いっしょにプレーすることはすごく楽しみです。
 
──今シーズンにかける意気込みは。
 
 去年、アルベル監督のもとでこのチームのすばらしいベースというものが構築されたなと思うので、そのベースをもとに今年はタイトルを獲ることを目標に戦いたいと思います。選手も、すばらしい選手たちがいるので、自分たちならその目標を達成出来ると思います。
 
◆各記者の一問一答から抜粋
 

撮影:後藤勝


──徳元選手とのポジション争いについてどう思うか。
 
 ポジション争いは大歓迎です。すばらしい選手と勝負出来るというのはプロとして非常に誇りですし、高いレベルの競争が出来るんじゃないかと思います。このプロの世界に“譲る”という言葉はないですけど、そのなかでこの激しい競争を繰り広げて、お互いが成長して、最終的にチームにしっかりと還元出来るように、そういう高いレベルの勝負をしたいと思います。
 
──チームとしての目標と、個人としての目標をあらためて。
 
 チームとしてはさきほど申し上げたようにJリーグのタイトルを獲りたいというところが目標です。ぼく個人としては、まずは選手としてしっかりとピッチの上で自分の実力を示してチームの力になること。あとは、やはりたくさんの経験を……ヨーロッパでも、日本代表でも、ワールドカップでもすばらしい経験をさせてもらっているので、その経験というものを若い選手、後輩たちにしっかりと還元出来るように。そこが自分の大きな目標かなと思います。
 
──現状の日本代表、ワールドカップへの想いは。
 
 何度も言いますけどワールドカップは、ぼくは経験すればするほどワールドカップの虜になる。この場所で戦いたいという気持ちは選手として常に持っています。そして、現役である以上は、ぼくは日本代表をめざしたいと思っているので、まずはこのFC東京で、すばらしい監督、スタッフ、チームメイトのもとでしっかりと自分の実力を発揮出来るように。それが日本代表の道につながっていくのかなと思います。
 
──インテルで長く活躍しつづけた。高いレベルの経験を誰よりもしてきたと思う。佑都ほど高いレベルで活躍しつづけた日本人選手はほかにはいないと思います。そのような経験を積んだ君に質問したいのは、日本サッカー界が、日本代表が今後進むべき道はなんなのでしょうか。ベスト16という壁を超えるために必要な道はどのようなものか、お答えいただければと思います。(質問:アルベル監督)
 
 ワールドカップを4回経験させてもらいましたけど、日本がこのベスト16の壁を破るには、やはり、より自分たちが主導権を握ってしっかりと攻撃的に戦えることがぼく自身は必要だなと思っています。今回もドイツやスペインなど強豪相手には主導権を握られて守備的な戦いをしなくてはいけなかった、と。それは自分たちが主導権を握れて、握れるのに守備的に戦ったのではなくて、やはり強豪相手にはまだまだ主導権を握れる戦いは出来ないというのは、日本の課題かなと思います。
 守備はある程度高いレベルで戦える、と。ただ、まだまだ攻撃的なクオリティだったり、
個人の能力、質というものを日本代表はまだまだ上げていかないと。ワールドカップのベスト8、4、優勝をめざす夢を考えると、まだまだ遠い道のりだなとぼく自身は感じています。攻撃的に主導権を握ること。あとは、やはりまだまだ気持ちの部分でも、決勝でアルゼンチンとフランスが示したように魂のぶつかり合い、球際というものをまだまだ学んでいかないと、上げていかないと、本当の意味でトップレベルに行くことは出来ないんじゃないかとぼくは感じています。
 
──いまのアルベル監督の質問に近いことだが、あのカタールワールドカップの場で必要とされた本質は
強度の高さに負けないたくましさなのか、それとも精神的な強さなのか、言葉にするとどうなるのか。そしてそれは現在のFC東京トップチームにどのくらい足りないものなのか。(質問:後藤勝)

 
 まずは、フィジカルの球際、デュエルの部分はまだまだ上げなければいけないし、精神的な強さという部分もさきほど言いましたけれども決勝を観てわかるように、全員が本当に死にものぐるいでボールを追いかけて球際を戦っている。そして、あの天才と言われるメッシでさえもすごい守備とデュエルを見せていた。そこをやっぱり、世界のトップの基準にしていかないといけないと思います。
 そしてFC東京だけでなくJリーグを含めて世界基準を考えたときには、ぼくはその球際の強さがやはり足りないなと感じています。ぼくも10年以上ヨーロッパで戦ってきてそしてワールドカップという国を背負って戦う試合を何百試合と戦ってきましたけど、その球際の強さと言いますか。でもそれは強さだけでなく気持ちから来る魂みたいなものがやはりまだまだ日本人は足りないんじゃないかな、と自分自身は思っています。
 だからこの基準を上げるために、ぼくはJリーグで、FC東京で、自分自身が見せなければいけないな、と。口で言うのは簡単なんで。自分がしっかりと見せられるように今シーズンを戦いたいなと思います。
 
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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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主なコンテンツ

●MATCH 試合後の取材も加味した観戦記など
●KODAIRA 練習レポートや日々の動静など
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そのほかコラム、ニュース、などなど……
新聞等はその都度「点」でマスの読者に届けるためのネタを選択せざるをえませんが、自由度が高い青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンでは、より少数の東京ファンに向け、他媒体では載らないような情報でもお伝えしていくことができます。すべての記事をならべると、その一年の移り変わりを体感できるはず。あなたもワッショイで激動のシーズンを体感しよう!

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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