実録・林彰洋最後のミックスゾーン「けがのあるないを含めて、やることはやってきた」
背番号33の声が震えていた。
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11月5日夕、味の素スタジアムのミックスゾーン。J1第34節『多摩川クラシコ』を終え、勝利を収めた川崎フロンターレの谷口彰悟、あるいはFC東京の長友佑都、松木玖生といった話題の人物に多くの報道関係者が押し寄せる間隙を縫うように、アダイウトンや中村帆高を止めて今節あるいは今季について訊ねる。東慶悟と渡邊凌磨も立ち止まっていたが、タイミングが合わず横から少し聞くだけに留まった。
そして塚川孝輝に「力が入っていたのか、力みすぎていたのか」と訊ねるなどして取材が終わりかけたとき、隣に最後の取材対象として林がやってきた。1分が経ったのち、まだ人がほとんどついていなかった林彰洋の囲み取材に加わる。
冒頭の質問から「もう一花、二花咲かせられるよう」のくだりについては、林が語っていたことはクラブ公式サイトに載っている文言とほぼ同じだった。しかし私が「FC東京での6年間はキャリアのなかでどのような位置づけになるか」と訊ねたことへのその答えについては、公式にはごく一部しか載っていなかった。実際にはもっと多くの言葉が、林の口から溢れ出ていた。
◆震える声
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