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究極のサッカーを求めるロアッソ熊本とモンテディオ山形、勝つのはどちらか【無料公開/J1参入プレーオフ2回戦前記者会見概要】

 

大木武監督(左)とピーター クラモフスキー監督(右)。


 J1参入プレーオフ2回戦に出場するロアッソ熊本とモンテディオ山形の両チームが11月4日13時、試合二日前のオンライン記者会見に臨んだ。熊本は大木武監督と坂本亘基、山形はピーター クラモフスキー監督とディサロ燦シルヴァーノが登壇した。
 
 熊本は平川怜が所属し、山形は木村誠二が所属していたクラブ。我流を貫く大木監督、ポジショナルプレーの概念を織り込んだクラモフスキー監督、各々個性は際立っているが、攻撃的なモダンフットボールを追求していることに変わりはない。弊サイトをご愛読いただいているFC東京のファンにとっても、J1最終節翌日のこの対決は見逃せない試合になるはず。ここでは会見の主要な発言を列挙していく。
 
◆大木流vs.クラモフスキー流
 
「山形さんはすばらしいチームですので全力でぶつかりたいと思います」(大木監督)
「リーグ戦終盤、プレーオフ1回戦と、勝っていい勢いで来ている山形さんを上回れるようにがんばりたい」(坂本)
「週末の試合が非常に楽しみです。いいフットボールをしているいいチームだと思います。エキサイティングなゲームになることでしょう。自分たちのフットボールが出来るようにしたい」(クラモフスキー監督)
「熊本さんも自分たちも出来上がったチームだと思う。いい試合にしたい」(ディサロ)
 
 四者がそれぞれこう意気込みを述べると質疑応答の時間となった。都合によりPCではなくiPhoneから入っていた筆者には他社の様子がよくわからなかったが、どうやらズームの挙手ボタンがまったく挙がっていないようで、それならばと挙手をすると最初の質問者として指名された。
 
 似たところもあるこのような相手を上回るために大事なことは何か──と訊ねると、大木監督は「なまけないことが大切だ」と答えた。
「ある意味、やることは決まっているので、選手がそれをやってくれれば」
 
 キックオフの瞬間からタイムアップに至るまでを連続したシークエンスとして捉える大木監督のサッカーに於いては攻守は分断されず、分断するような演技も否定される。いかに継続して90分間、やるべきことをやりつづけられるか。それが引いてはパフォーマンスの高低にも、観る者の印象の善し悪しにもつながってくる。
 
 一方のクラモフスキー監督も言葉を揃えた。
「自分たちのフットボールを出来るように闘うのみです。決まり事をしっかりやりきる。どちらかが100パーセント支配することはなく、エキサイティングな試合になるでしょう。自分たちの試合のなかでの解決法もわかっている。日曜の試合が非常に楽しみです」
 
 似た者同士なのかもしれない。その後の質疑でも両監督は相手のフットボールがいかにすばらしいかを互いに称え、両選手はサッカー面に於いて具体的に相手を評価、ライバルの感を強くした。
 
「熊本さんにはいろいろな脅威があり、ひとつに絞ることは出来ない。自分が観ていてもいいチームで、すごくいいフットボールをするチームだと思う」(クラモフスキー監督)
 
「まったく同じと言ったらアレなんですけど、山形さんはゲームを捨てることがないですね。相手がなくて自分たちがどうプレーするか。敬意に値する、尊敬するチームだと思います。我々にとって非常に嬉しいことだと思います」(大木監督)
 
 ビルドアップ、背後への飛び出し、サイドからの仕掛けとクロス──豊富なヴァリエーションも両者に共通している。2023シーズンにJクラブがめざすべきサッカーの指標としても注目に値する一戦だ。
 
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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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