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今シーズンのベスト!強度の高い守備、前進の概念、落ち着いたボール保持。一段階先が見えてきたアルベル東京【J1第25節/vs.セレッソ大阪】

 

小平でのアルベル監督。撮影:後藤勝


 惨敗と言っていい内容で敗れた10月8日の湘南ベルマーレ戦から中三日、同じ味の素スタジアムで開催された順延分のセレッソ大阪戦で、FC東京が今シーズンベストと言っていいゲームを見せました。東京スタジアムに移転した2001シーズン前半にポゼッションの割合を増やそうとしたもののうまくいかず、その後もボール支配力向上に挑む度につまずいてきた東京が、たんにボールを持てるようになるだけでなく、ようやく現代サッカーのしっぽを捉えそうなところまで来たことに、正直驚きを隠せないでいます。
 
 クラブ公式のF.C.TOKYO FANZONEに掲載されているアルベル監督インタビュー、それと昨日にアップした森重真人、東慶悟、バングーナガンデ佳史扶のコメントとを合わせると、いかにして東京があれだけボールを握りつづけたのかがある程度わかるかと思います。今回の観戦機はその観点を中心に進めていきたいと思います。
 
◆前半から東京のこれまでとのちがいは明らかだった
 

 
 良薬は口に苦しと言いますが、湘南戦が最高のレッスンになりました。あの試合で東京が味わったのは、強烈なハイプレスで詰めてくる相手に対しては手も足も出ないという現実でした。これは今シーズン中の過去の試合を振り返っても明らかで、特にサンフレッチェ広島に対する苦戦ぶりは著しく、二巡目のアウエーゲームで勝てたのは、試合の三日前の27日までE-1選手権の日本代表に選手6人が招集されていて広島がメンバー編成に苦慮したこともありますが、直接的には最後に5バックでアダイウトンの一発にかける、言わば奇策を用いたからで、実力で大きく上回っての勝利ではありませんでした。そうなると、8日の湘南戦の東京は、素の状態でつよつよハイプレス軍団と当たった場合の実力をあらためて思い知らされたことになります。
 
 では、それに対して東京が「このままではいかん」と思い、どう猛省して改善を試みたか。ここが重要でした。

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