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磐田戦を控え、町田でより深みを見せるランコポポヴィッチの哲学と、周囲への配慮が増した長谷川アーリアジャスールの成熟。ポポヴィッチ監督「自分たちがプレッシャーを感じながら出来る仕事というのは光栄なこと」【特別企画】

 

©FCMZ


 Jリーグ全体がシーズン終盤に差しかかり、J1昇格争いが緊迫するJ2も残すところ11試合。この時点で、昇格圏にいる2位ジュビロ磐田を勝点11差で追っているのが4位のFC町田ゼルビアだ。射程範囲と言っていい。
 
 昨年、元FC東京のランコ ポポヴィッチ監督は、町田をJFLからJ2に昇格させて以来9年ぶりに同クラブに復帰した。そして今シーズン、かつて“ポポ東京”で主要な位置を占めていた長谷川アーリアジャスールを獲得。長谷川はここまで全31試合に出場している。2020シーズンは19位だった町田を、昇格争いをするところまで引き上げた要因のひとつと言えるだろう。
 
◆2012-13FC東京の師弟コンビがJ2終盤戦の大一番に臨む
 
 2012と13シーズンの二年間、FC東京で苦楽をともにしたランコ ポポヴィッチ監督と長谷川アーリアジャスール。このふたりが、J2第32節「町田vs.磐田」戦を二日後に控えた10月1日、Web囲み取材に応じた。
 
 塚田貴志通訳の名調子も、ポポヴィッチ監督の時間をかけ言葉を尽くす答え方も相変わらずだった。直接的な試合の中身についての解説というより、サッカーの背景にある人生観が伝わってくるようなコメントに懐かしさすら覚えた。加齢とともにより落ち着き、深みを増したようにも感じる。
 
 長谷川は以前から安定した表情を見せる男だったが、今年はより大人になった印象。以前よりさらに周囲への配慮がある。
 
 ポポヴィッチ監督は昨年、長谷川は今春、別件で取材をしているが、やはり試合前のPreview的な位置づけの取材で濃密な話をすると、彼らが東京にいた頃の感覚が甦ってくる。戦術や強さ云々ではなく、ポポ東京はおもしろいチームだった。
 
◆長谷川アーリアジャスール、トップ下の理由
 
 ボランチ、トップ下、あるいはサイドハーフでもプレーする長谷川だが、今シーズンの町田ではトップ下を務めて31試合6得点という結果を残している。リーグ戦だけで言えば東京在籍時二年目の年間5得点が過去最高記録なので、キャリアハイと言っていい。
 
 なぜ町田での長谷川はボランチではなくトップ下で輝くのか。ポポヴィッチ監督から長い答えが返ってきた。
 
「後藤さんも知ってのとおり、約10年前になりますよね、FC東京に私がいたときに、アーリ(長谷川)をボランチで起用していたこともありました。その当時は米本と高橋秀(ヒデ)がいて、そのふたりの特長は守備的なボランチでしたよね。コンビで組むパートナーとして、前にボールを運べる選手、持ち出せる選手、配球出来る選手が必要だと考えていました。
 
 アーリもそのときの課題というのはやはり守備面だった。ただ、そこに置くことで彼の成長につながるというふうに私は感じていました。特に守備のところに関しては、約束事を疎かにするというところがアーリのなかでもまだあったので。
 
 彼も、もちろん周りのサポートも得ながら、自分に何が足りないのかというところはわかったと思います。そこを成長させていった、課題を克服させていったと思います。

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