【新東京書簡】第七十四信『番記者、未来予想図』海江田(20/7/1)

味スタに半年以上も足を運ばないなんて初めてだ。青赤の皆さんも恋しかろうて。
第七十四信 番記者、未来予想図
■現場の優位性が浮き彫りになるだろうと考えた
Netflixのドキュメンタリー「マイケル・ジョーダン:ラストダンス」を夢中になって観て、こういうのを書けたら死んでもいっかなあと思う。
アメリカスポーツ史に屹立するNBAシカゴ・ブルズのスーパーヒーロー、マイケル・ジョーダンの最後のシーズンを軸に、時代を行きつ戻りつしながらキャリアの軌跡を辿っていく。
深部まで入っていくテレビカメラ、そこで交わされる言葉、証言の生々しさ。名将フィル・ジャクソン、最強の相棒スコッティ・ピッペン、怪人デニス・ロッドマンはもちろん、脇を固めるスティーブ・カー、ライバルチームのキーマン、家族、ファン、メディア、セキュリティといった日陰の存在まで、何ひとつ粗末に扱うことなく丁寧に描かれていた。
スポーツの現場で起こっているエモーショナルな衝動に触れ、ぞくぞくした。そこに自ら足を運び、周囲に目を配り、見えないものを感じ取って、はじめて生まれる文脈がある。あらためて、それを確信した。
6月27日、J2再開。東京ヴェルディがFC町田ゼルビアをホームに迎えた一戦、おれはペン記者の取材枠の都合により、自宅での観戦となる。非常時において、何より優先されるべきは公共の利益だから文句はない。
これにより、ふだんとは一風違ったマッチレポートを書かざるを得ない状況が出来上がる。それはそれで興味があった。
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