ナ サンホの移籍について短めに【無料公開】
6月10日、ナ サンホの城南FCへの期限付き移籍が発表された。本人の公式コメントは以下のとおり。
「このたび、城南FCへ期限付き移籍をすることになりました。今回の決断は簡単ではなかったですが、両クラブからいただいたチャンスをしっかりと活かしていけるように頑張ってきます。半年間、一生懸命努力し、来シーズンは今よりもっと成長して戻ってきます。引き続き応援よろしくお願いします」
シンプルに考えれば戦力の低下ということになるが、サンホのことを考えれば、出場機会を求めるという以外の意味においても、韓国の国内で移籍先が見つかってよかったのではないか。
日本では5月下旬まで緊急事態宣言が発出されていた。世界を見渡すと、新型コロナウイルス感染拡大のピークが過ぎた国もあるが、一日当たりの新規感染者は10万人を超えている。ほんの少し前までは、いつになったらサッカーができるのかもわからない状況だった。
周知のように、東京都は日本でもっとも感染リスクが高い大都市だ。コロナに関しては韓国のほうが安全だろう。
競技面での目標は選手一人ひとりが持っている。個々に、その目標を追いつづけることに変わりがないにしても、今シーズンに関しては、まず健やかに過ごすことが重要であるはずだ。
当面、無観客試合で再開されるJリーグは、取材するTVクルー、フォトグラファー、ペン記者の人数を大幅に絞るが、その説明に際しても「感染者を出さないことが必須」「プレーヤーの安全、安心が第一」「とにかく安全、それがすべて」という言葉があった。
サッカーどころではなかった春が過ぎ、プロ選手がプレーに勤しみそれをファンが楽しむ夏に入るいまだからこそ、あらためて「安全、安心」を肝に銘じておきたい。
選手の脚が止まればリーグ戦の進行も止まる。サッカーを止めないためにも、それぞれが下す決断を見守りたいと思う。
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