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おかえりタマ! 三田啓貴、3年半ぶりにFC東京へと復帰【タマまつり】

 

小平グランド、クラブハウスの玄関をくぐった直後の三田啓貴。原大智が偶然、居合わせた。

三田が姿をあらわすと、クラブハウス玄関に集ったスタッフが温かい拍手で迎えた。

 7月17日、三田啓貴がFC東京に完全移籍で加入する旨が発表された。2013年、明治大学を経て東京に加入した三田は2015年までプレー。2016年にベガルタ仙台に期限付き移籍した三田は翌年完全移籍に切り換えてプレー。2018年には完全移籍でヴィッセル神戸に加入し、ことしも神戸でシーズンを始めていた。
 三田は17日午後、さっそく小平を訪れ、クラブスタッフに拍手で迎えられた。
 優勝をめざす青赤軍団にとっては頼もしい味方だ。登録が済みさえすれば、最速で次節の対清水エスパルス戦から出場が可能になる。
 3年半ぶりの復帰となる三田を迎える立場の東慶悟は「仙台や神戸での感覚もあると思うし、プラス(長谷川)健太さんの要望もあると思うので、そのバランスは最初は難しいと思います。(オ)ジェソクは(長谷川健太監督と)長年の経験があるので監督がやりたいこともすぐわかると思いますけど、それに比べれば時間がかかるかもしれない。でも東京のアカデミー出身でもありますし、そういう選手のがんばりがこのチームには必要」と、歓迎した。
 明るい材料であることは間違いない。東はこうつづけた。
「生粋の、アカデミー出身の選手が活躍すればチームの士気も上がる。そういうところにも期待できればと思います」

 長谷川健太監督が三田と初めて話した内容は「まずはチームに慣れてほしいと伝えました。ボランチをやりたいという希望は聞いています。ただ、(試合に)出るも出ないも競争だと思いますので、しっかりとトレーニング、ゲームなどでしっかりとプレーを見せてくれという話をしました」だったという。
「東京のアカデミー出身の子が、(既存の選手が)出ていくばかりで難しい時期に戻ってきてくれたというのは、大きな補強になるんじゃないかと思っています」
 長谷川監督は、いまにも嬉し泣きしそうに顔を紅潮させた笑みで、感激をまじえてこう話した。

「オプション、(チーム編成の)幅はすごく拡がると思います。移行期で非常に苦しかったですが、ここから新加入の選手を使っていけるので、戦力的には非常に厚く戦っていけるんじゃないかと思っています」
 思わず漏れた、指揮官の本音。他クラブに移籍する選手が続出、川崎フロンターレには悔しい敗戦を喫して苦しいときにやってきた“タマ”が、東京の救世主──エル・サルバドールとなる日は近いのかもしれない。

◆三田啓貴の囲み取材要旨「東京の優勝に貢献したいです」「帰るべきタイミングで帰ってきた」「口ではなんとでも言えるし、やるしかないです」

東京のジャージに着替え、取材に応じた三田。

 挨拶等を済ませて落ち着いたところで、三田が囲み取材に応じた。

「FC東京がいちばん好きなクラブだし、それはずっと変わっていなかった」

 いつかは再び東京でプレーしたいと願い、それが叶うかどうかは、東京からのオファー次第だった。対して、苦境に陥った東京とすれば、三田はまさに助っ人。侠気すら感じる勢いで、三田は小平に帰ってきた。

「逆に言うと首位のチームに来るわけだし、昨年もそうでしたけど、ここ(シーズン折返し)から東京は失速すると言われるわけじゃないですか。そういうなかで移籍を決断してきたわけだから、ここで自分が来て悪くなったと言われたくないし、また東京が盛り返してよくなってきたと言われるような活躍をしないといけないというプレッシャーも、もちろんありました。でも、

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