現役引退の梶山陽平「FC東京にちがうかたちで携わっていきたい」(※アイコンは23日西が丘)【無料公開】
11月24日のJ1第33節終了後、今シーズンかぎりで現役を引退する梶山陽平が味の素スタジアムのピッチで挨拶をおこなった。前日のJ3第33節に於けるセレモニーの内容は「試合前のお出迎え」と「試合終了後の場内一周」であり、肉声で直接ファン、サポーターに向けて引退に関する正式なメッセージを述べたのはこれが初めて。またミックスゾーンをすべての選手が追加したあとは映像メディア、そしてラジオとペン記者の取材に順次対応した。
「ずっと膝が痛くて、ここ2~3年そういうこと(引退)も考えていたので、すんなりと決断しました」
立ったままの取材は厳しいだろうと、10分以上になるはずの囲み取材のため用意された椅子に座った梶山はさっぱりとした表情だった。
「(15年間におよぶプロ選手生活で)選手としてもひととしても成長できたなと思います」
FC東京U-18からトップチームに昇格した頃は、取材の場ではまともに声が出ず、ほぼ絶句しているに近い状態で、短い数語が語られるだけ。しかし時を経ていつしか戦術解説番と呼べるほどにコメントの量が増え質が高まり、頼もしさが身についていった。引退セレモニーでは、川崎フロンターレとFC東京双方のファン、サポーターに落ち着いた口調で語りかけた。梶山の実感は報道陣にとっても納得のいくものだった。
◆チョーさんにかけられた言葉は……
プロに飛び出す前の中高6年間、FC東京U-15(※むさしができる前)とU-18でともに時間を過ごした長島裕明氏(※先頃、FC岐阜トップチームヘッドコーチの任を退いた)には、引退をすると決めたとき、自ら連絡したという。
「昨日(23日)も西が丘に来ていて、直接会って。チョーさんも『おまえが活躍してくれるのを励みにがんばってこれた』と言ってくれた。その辺はよかった」
品田愛斗が昔の梶山陽平に似ていると言われていることは知っていた。そしてアカデミーの選手が10番をつけたほうがいいとも思っている。しかし後継者選びに関しては、品田に「チームがすぐ10番をつけさせるかどうかは、ぼくにはわかりません」と言うにとどめた。
どういうかたちになるかはわからないと但し書きをつけつつ、FC東京に携わりたいという気持ちはあきらかにしている。唯一、心残りなのはリーグ優勝を果たしていないこと。梶山は夢のつづきをピッチの外で描いていく。
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◆書評
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「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
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「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
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