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ACL決勝進出を果たした鹿島にあって東京にないものとは【コラム】

 
◆鹿島の“格”

 セルジーニョのゴールによって2試合合計スコアで勝ち越した鹿島アントラーズがACL決勝進出を決めた。
 過去二回ACLに挑み、ラウンド・オブ・16まで進んでいるFC東京よりも鹿島は先を行っている。

 Jリーグ開設から四半世紀が経つと、当時はプロとしては新興だったオリジナル10にも、伝統あるクラブとしての立派な風格が漂ってくる。
 その格は最多タイトル獲得数を誇る戦績からのみ感じられるものではない。

 たとえば、県立カシマサッカースタジアムの試合で鹿島アントラーズがゴールを奪い、それを観て両の拳を衝き上げる、恰幅のよくなったジーコテクニカルディレクターの姿だ。
 歳を重ねて太めの体型になった神様のような名手がスタンドで喜ぶ姿は、ラ・ボンボネーラでボカの勝利に歓喜するディエゴ・マラドーナを彷彿とさせる。
 言い換えれば、鹿島はボカに比肩する何かを手に入れている。

 残念ながらこの何かを、いますぐ東京が手に入れるのは難しい。
 日本リーグ2部時代の住友金属にジーコを呼んできたことが慧眼なのであり、1991年にそれをなしえていなければ、いまある光景を眼にすることはできないのだ。
 加えて、

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