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急停止の3連敗。4位以下が忍び寄る【J1第23節第2報】

「2点差をひっくり返したのは成長している証拠。力がないとできないことです。ロッカールームはとてもいい雰囲気でした」
 北海道コンサドーレ札幌の稲本潤一に試合後の様子を訊ねると、言わずもがなの答えが返ってきた。実力がいい雰囲気をつくるのか、いい雰囲気が力を養うのか。札幌は再び好調のサイクルに入ってきているようだ。
 対してFC東京は今シーズン初の3連敗。前半45分間の内容は悪くなかった。むしろ、前節までの決定力不足を思い起こさせる場面を何度となくつくりながら、ディエゴ オリヴェイラ、セットプレーでのチャン ヒョンス、決定力の高い選手にフィニッシュを担わせて2点を奪い、現状ではこれ以上望むべくもない結果を手に入れていた。
 しかし後半45分間は札幌に圧され、いいところがなかった。空調のきいた涼しいドームで、暑熱に悩まされスタミナを奪われる状態ではない。フィジカルに問題がないとすれば、ファーストハーフとセカンドハーフとで様相が一変した原因は、タクティクスかメンタルにあることになる。

 ミハイロ ペトロヴィッチ監督は戦術の要素を挙げた。
「2点のリードを許し、失うものはない展開。前からボールを奪うべく、ジェイと都倉賢が東京のセンターバックを嵌め、サイドは基本的にマッチアップをするようにしました」
 チャナティップはポジショニングを下がりめにすることで、自身の前にプレースペースをつくった。こうしてスルーパスやクロスを通しやすい状況をつくりつつ左右に揺さぶると東京は札幌の攻撃についていけず、中途半端なポジショニングで人数が揃っていても何もマークできていない、昨年まで何度も見られた欠陥が浮かび上がってきた。こうならないよう中に絞り緊密な距離感を維持する守備のコンセプトを徹底したはずだが、その原則が消え失せていた。
 マッシモ フィッカデンティ監督時代には、戦術が嵌らないときは、一度引いて様子を見るという試合を何度もこなしてきているはずだが、そうした転換ができなかった。
 こうなると外科手術が必要だ。長谷川健太監督は、ボールを収め、

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